SES企業の経営者様、「案件管理がExcelでバラバラ」「毎月の請求作業に膨大な時間がかかる」「案件ごとの正確な利益が把握できない」といった課題を抱えていませんか?
本記事では、SES業界特有の複雑な業務プロセスに最適化されたkintoneの活用方法を詳しく解説します。顧客管理から案件アサイン、勤怠管理、契約管理、請求書発行、入金管理まで、SES業務の全工程を一元管理し、業務効率化と利益最大化を実現する方法をご紹介します。
この記事でわかること
- SES業界特有の課題とkintoneによる解決策
- SES特化型kintoneパッケージの7つのアプリ詳細
- 勤怠表突合検証機能の実装方法
- freeeとの連携による経理業務の自動化
- 実際のSES企業様での導入実績と成果
目次
- SES業界が抱える5つの課題
- なぜSES業界にkintoneがおすすめなのか
- SES特化型kintoneパッケージの全体像
- 7つのアプリ詳細解説
- 勤怠表突合検証機能
- 外部システム連携
- SES業務の標準ワークフロー
- IPO準備でのメリット
- 導入手順と期間
- 導入実績と成功事例
- よくあるご質問
- まとめ
SES業界が抱える5つの課題
SES企業の現場では、日々多くの課題に直面しています。ここでは、特に多くのSES企業様から寄せられる代表的な課題を5つご紹介します。
Excelで案件管理をしているんですが、エンジニアが増えるにつれてファイルがどんどん増えて...。誰がどの案件にアサインされているのか、すぐに把握できなくなってきました。
その悩み、多くのSES企業様が抱えている課題です。案件数が50件を超えると、Excelでの管理は限界を迎えることが多いんです。
課題1:案件情報の散在と可視化不足
多くのSES企業では、案件情報がExcelファイルやスプレッドシートに分散して管理されています。営業担当者が独自のフォーマットで管理していたり、部門ごとに異なるファイルを使用していたりと、情報が一元化されていません。
この状態では、以下のような問題が発生します。
- エンジニアの稼働状況をリアルタイムで把握できない
- 待機中のエンジニアと新規案件のマッチングに時間がかかる
- 契約更新のタイミングを見逃してしまう
- 最新情報がどのファイルにあるのか分からない
- 経営層が全体像を把握するのに時間がかかる
課題2:請求業務の煩雑さとミスの発生
SES業界の請求業務は非常に複雑です。エンジニアごとに異なる単価設定、時間精算・固定単価・上下限精算など多様な精算ルール、複数の顧客への同時請求など、手作業での処理には限界があります。
SES請求業務の複雑さ
- 精算方式の多様性 - 時間単価、日単価、固定単価、上下限精算など
- 勤怠データとの突合 - 顧客提出版と社内データの照合作業
- 請求書作成の手間 - 案件ごとに異なるフォーマット対応
- 入金管理の煩雑さ - 複数顧客の入金状況追跡
- 計算ミスのリスク - 手作業による転記ミス、計算ミス
これらの作業を毎月繰り返すことで、経理担当者の負担は増大し、本来行うべき経営分析や改善活動に時間を割けない状況に陥ります。
課題3:勤怠表突合作業の負担
SES業界特有の課題として、勤怠表の突合作業があります。顧客先の勤怠システムで打刻したデータと、社内の勤怠管理システムのデータが一致しない場合、その原因を調査し、調整する必要があります。
毎月10日までに顧客から勤怠表が届くんですが、社内データと突合すると必ず数件は時間が合わないケースが出てきます。原因調査だけで2〜3日かかることも...
その突合作業、システム化できます。kintoneのSES特化型パッケージでは突合検証が対応できるんです。差異が発生した場合も、パターン別に対応フローが用意されています。
突合作業で発生する問題には、以下のようなものがあります。
- 現場での手書き記入による読み取りミス
- 顧客側システムと自社システムの計算ロジックの違い
- 休憩時間の扱いや丸め処理の差異
- 顧客側での転記ミス
- タイムゾーンや時間帯の認識の違い
課題4:案件収支の把握困難
「この案件、本当に利益が出ているのか?」という問いに、即座に答えられるSES企業は多くありません。エンジニアの人件費、案件の売上、経費などの情報が別々に管理されているため、案件単位での正確な収支計算が困難なのです。
案件収支が把握できないことで、以下のような経営上のリスクが生じます。
- 赤字案件を見逃してしまう
- 値上げ交渉のタイミングを逃す
- 利益率の高い案件の特徴が分析できない
- 経営判断に必要なデータが不足する
- エンジニアの適正配置ができない
課題5:契約更新漏れのリスク
SES業務では、多数の契約を同時に管理する必要があります。契約期間が終了する1ヶ月前には更新の可否を確認し、必要な手続きを進めなければなりません。しかし、Excelでの管理では更新時期を見逃すリスクが常につきまといます。
契約更新を見逃すと、以下のような深刻な問題が発生します。
- エンジニアの稼働が止まり、売上が減少
- 顧客との信頼関係が損なわれる
- 契約書類の再作成に時間がかかる
- エンジニアのモチベーション低下
- 機会損失による利益の減少
なぜSES業界にkintoneがおすすめなのか
SES業界特有の複雑な業務プロセスに対して、kintoneが最適なソリューションとなる理由を詳しく解説します。
理由1:柔軟なカスタマイズ性
SES企業の業務フローは、会社ごとに異なります。精算ルール、契約形態、請求サイクル、勤怠管理方法など、企業独自の運用方法があるのが一般的です。
kintoneは、プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップの操作で自社の業務フローに合わせたアプリを構築できます。既製品のパッケージソフトでは対応できない細かな要件にも、柔軟に対応可能です。
kintoneのカスタマイズ性
- ノーコードでアプリ作成 - 専門知識がなくても、画面上の操作だけでアプリを作成・修正できます
- JavaScript拡張 - より高度な機能が必要な場合は、JavaScriptでカスタマイズできます
- 豊富なプラグイン - 帳票出力、ワークフロー、グラフ表示など、300種類以上のプラグインで機能拡張が可能
- 継続的な改善 - 運用しながら改善を重ねることができ、スモールスタートで始めて段階的に機能を拡張可能
理由2:SES業界に特化したパッケージの存在
はてなベースが提供するSES特化型kintoneパッケージは、SES企業の業務要件を徹底的に分析して開発されました。顧客管理、案件管理、契約管理、勤怠管理、請求管理、メンバー管理、注文書管理の7つのアプリが連携し、SES業務の全工程をカバーしています。
このパッケージは、実際のSES企業様との共同開発によって生まれたもので、現場の声を反映した実践的な機能が搭載されています。
理由3:freeeとの完全連携
多くのSES企業がfreee会計やfreee人事労務を導入しています。kintoneはfreeeとAPIで完全連携できるため、データの二重入力が不要になります。
具体的には、以下のような連携が実現します。
- 勤怠データの自動取得 - freee人事労務の勤怠データをkintoneに自動連携
- 請求書の自動作成 - kintoneで作成した請求データをfreee請求書に送信
- 売掛金の自動登録 - freee会計に売掛金を自動で登録
- 入金情報の自動反映 - freee会計の入金データをkintoneに自動同期
- 社員情報の同期 - freee人事労務の社員マスタをkintoneと連携
freeeは既に使っているんですが、kintoneとの連携で何が変わりますか?
freeeとkintoneを連携すると、案件管理から請求書発行、入金確認までの一連の流れが自動化されます。例えば、kintoneで案件の請求金額を確定すると、自動的にfreee請求書が作成され、顧客に送信されます。入金があればfreee会計からkintoneに自動反映され、入金状況が一目で分かるようになります。
freee会計の活用については、freee会計で請求業務を自動化するテクニックも合わせてご覧ください。
理由4:段階的な導入が可能
kintoneの大きな特徴は、スモールスタートから段階的に拡張できることです。最初は基本的なアプリだけを導入し、運用しながら必要に応じて機能を追加していくアプローチが可能です。
kintoneは月額1,800円/ユーザー(スタンダードコース)からスタートでき、必要なユーザー数分だけ契約できます。大規模なシステム導入と異なり、初期投資を抑えつつ、段階的に業務をデジタル化していけます。
段階的導入のメリット
- 最小限の機能からスタート - 最初は顧客管理と案件管理だけを導入し、慣れてから他のアプリを追加
- ユーザー数の調整 - 必要な人数分だけライセンスを契約し、コストを最適化
- カスタマイズの段階的追加 - 運用しながら改善点を見つけ、必要な機能を追加
- リスクの分散 - 一度に全てを変えるのではなく、段階的に移行することでリスクを軽減
理由5:IPO準備に対応した内部統制
将来的にIPOを目指すSES企業にとって、内部統制の整備は必須です。kintoneは、IPO準備に必要な以下の要件を満たしています。
- アクセス権限管理 - ユーザーごと、部門ごとに細かくアクセス権限を設定可能
- 操作ログの自動記録 - 誰が、いつ、何を変更したかが自動で記録されます
- ワークフロー機能 - 承認プロセスを設定し、適切な承認を経た処理を実現
- 変更履歴の保存 - データの変更履歴が自動で保存され、監査対応が容易
- データのエクスポート - 監査時に必要なデータを簡単に出力できます
SES特化型kintoneパッケージの全体像
はてなベースが提供するSES特化型kintoneパッケージ(SESPKG)は、7つのアプリで構成されています。これらのアプリが連携することで、SES業務の全工程を一元管理できます。
基幹アプリ(標準パッケージ)
アプリ名 | 目的 | 主要機能 |
---|---|---|
顧客管理 | 顧客情報の一元管理 | 顧客登録・振込先管理・重複チェック |
案件管理 | 月次案件・進捗・収支管理 | 案件情報・請求計算・継続管理・突合設定 |
契約管理 | 契約書類とステータス管理 | 契約期間・金額・ステータス・更新アラート |
勤怠管理 | 勤怠データ収集・進捗確認 | 日次勤怠・外部システム連携・修正履歴 |
請求管理 | 請求書発行・入金管理 | 請求書作成・freee連携・入金追跡 |
メンバー管理 | 社員・業務委託者マスタ | メンバー情報・人件費単価・稼働ステータス |
注文書管理 | 顧客注文書の管理 | 注文書PDF・振込先情報・ステータス管理 |
オプション機能(追加対応可能)
基幹アプリに加えて、貴社の業務ニーズに応じて以下のような機能も追加できます。
カテゴリ | 機能名 | 概要 |
---|---|---|
営業支援 | 営業管理(CRM) | 商談進捗、見積・受注情報を一元管理 |
営業支援 | リード顧客管理 | 見込み顧客の情報管理、スコアリング |
営業支援 | お問い合わせ管理 | Webフォーム経由の問い合わせを自動レコード化 |
支払管理 | 支払い通知書作成 | 業務委託者・外注先への支払い通知書を自動生成 |
総務・人事 | 総務ワークフロー | 備品申請、社内稟議、出張申請などをテンプレート化 |
総務・人事 | オンボーディング管理 | 入社手続きタスク、研修進捗、設備手配をチェックリスト管理 |
総務・人事 | 人事評価モジュール | 評価シート作成、多面評価、評価結果集計 |
総務・人事 | 日報管理 | 日報入力・承認フロー、AI要約、タグ付け検索 |
分析・可視化 | KPIダッシュボード | 経営指標・部門別KPIをリアルタイム可視化 |
分析・可視化 | Looker Studio連携 | kintoneデータをBIツールに連携し高度な分析 |
コラボレーション | Slack / Teams通知 | 各アプリのステータス更新・アラートを自動送信 |
AI活用 | 生成AI連携 | チャットボットでFAQ回答、レコード要約、検索支援 |
これらのオプション機能は、基幹アプリの運用が安定した後に、段階的に追加することをおすすめしています。
アプリ間連携の仕組み
これら7つのアプリは、単独で機能するだけでなく、相互に連携することで真の価値を発揮します。例えば、顧客管理アプリで顧客を選択すると、案件管理アプリに基本情報が自動コピーされます。案件管理アプリで請求金額を確定すると、請求管理アプリに自動で連携されます。
この「1レコード登録で後続処理が自動化」される仕組みにより、入力ミスと転記工数を大幅に削減できます。
連携の具体例
- 顧客管理 → 案件管理 - 顧客選択時に基本情報を自動コピー
- 案件管理 → 契約管理 - アクションボタンで案件情報を引き継ぎ契約作成
- 案件管理 → 請求管理 - 請求対象期間・金額を自動連携
- 案件管理 ↔ 勤怠管理 - 案件IDで勤怠を紐付け、稼働時間を自動集計
- 勤怠管理 → 請求管理 - 稼働時間×単価で請求金額を自動計算
- メンバー管理 ↔ 案件管理 - アサイン情報・人件費単価を参照
- 案件管理 → 注文書管理 - 案件情報を引き継ぎ注文書作成
7つのアプリ詳細解説
SES特化型パッケージを構成する7つのアプリについて、主要な機能をご紹介します。
1. 顧客管理アプリ
顧客の基本情報、振込先情報、取引履歴を一元管理。案件・契約・請求情報への起点となり、重複登録を防ぐチェック機能も搭載しています。
2. 案件管理アプリ(中核アプリ)
「1作業者・1契約期間・1案件」を基本単位として管理する、SESパッケージの中核アプリです。請求計算の自動化、継続案件管理、突合検証設定、収支管理、契約更新アラートなど、SES業務に必要な機能を集約しています。
案件管理アプリの最大の特徴
従来は経理担当者が時間をかけて行っていた請求計算が、ワンクリックで完了します。SES業務の複雑な精算ルール(上下割、中間割、固定単価など)にも対応し、計算ミスを防ぎます。
3. 契約管理アプリ
契約書類、契約期間、契約金額、ステータスを一元管理。契約の更新履歴を記録し、契約更新のタイミングを逃さないようアラート機能も備えています。
4. 勤怠管理アプリ
「1人・1案件・1日」を基本単位として、エンジニアの日次勤怠情報を管理。外部勤怠システム(freee人事労務、ジョブカンなど)との連携、修正履歴の自動記録、案件別時間配分に対応しています。
5. 請求管理アプリ
案件管理アプリで計算された請求データを受け取り、請求書発行、freee連携、入金管理までを一元管理。入金状況を追跡し、回収率を可視化します。
freee連携の他に、kintone内で請求書PDFを直接出力し、メール送付することも可能です。帳票プラグインを使用することで、自社フォーマットの請求書を作成し、顧客に送信できます。
6. メンバー管理アプリ
社員と業務委託者の情報を一元管理するマスタアプリ。エンジニアの基本情報、スキル、人件費単価、稼働ステータスを管理し、最適なアサインを支援します。
7. 注文書管理アプリ
顧客から受領した注文書PDFを管理し、契約書・請求書との整合性を確保。受領状況をステータス管理し、対応漏れを防ぎます。
勤怠表突合検証機能の詳細
SES業界特有の業務として、顧客提出版の勤怠表と社内データの突合作業があります。この作業は非常に手間がかかり、かつミスが発生しやすい工程です。はてなベースのSES特化型パッケージには、この突合作業を効率化する機能が標準装備されています。
突合作業、本当に大変なんです。顧客ごとにフォーマットが違うし、時間の計算方法も違う。毎月5日間くらいかかってしまいます。
その課題、よく分かります。弊社のパッケージでは、勤務表提出パターンを7つに分類し、それぞれに最適な突合フローを用意しています。パターンさえ設定すれば、システムが自動で突合検証を支援します。
勤務表提出パターンの分類
SES業界では、顧客ごとに勤務表の提出方法が異なります。はてなベースでは、実際のSES企業様の運用を分析し、勤務表提出パターンを複数のパターンに分類しました。
勤務表提出パターンの例
- 自社フォーマット - 自社で作成した勤務表を提出(突合不要)
- 現場版(本人経由) - 現場で記入し本人経由で提出(突合推奨)
- 顧客版(顧客加工) - 現場で記入し顧客側で加工(突合必須)
- 外部システム連携 - 顧客側の管理システムからダウンロード(突合必須)
※実際の勤務表提出方法や突合の必要性は、顧客の運用ルールや契約条件により異なります。
突合作業の効率化
案件管理アプリで、案件ごとに勤務表提出パターンと突合検証の有無を設定することで、パターン別の突合フローが適用され、作業を効率化できます。
突合作業の効率化ポイント
- パターン分類による標準化 - 案件ごとにパターンを設定することで、作業手順が明確になります
- ステータス管理 - 進捗状況を可視化し、対応漏れを防ぎます
- 差異の記録 - 過去の差異理由を蓄積し、次回以降の対応を効率化します
- 一覧での確認 - 複数案件の突合状況を一覧で把握できます
外部システム連携
SES特化型kintoneパッケージは、さまざまな外部システムと連携することで、さらに業務効率を高めることができます。
システム | 連携方式 | 連携内容 |
---|---|---|
freee 人事労務 | API / CSV | 勤怠データ・従業員マスタの取得 |
freee 会計 | API | 売掛金登録・入金ステータス取得 |
freee 請求書 | API | 請求書作成・送付 |
ジョブカン勤怠管理 | API / CSV | 勤怠データのインポート |
マネーフォワード | API / CSV | 勤怠データ・会計データ連携 |
その他勤怠・会計システム | CSV / API | データインポート・エクスポート |
Slack / Teams / Chatwork | Webhook | アラート・承認通知 |
主要な外部システム連携
会計・人事システム連携
freee、マネーフォワード、ジョブカンなど、主要な会計・人事システムとAPI連携またはCSV連携が可能です。例えば、freeeとの連携では以下のようなメリットが得られます。
- 勤怠データの自動取得 - freee人事労務に登録された勤怠データを、kintone勤怠管理アプリに自動取り込み
- 請求書の自動作成・送付 - kintone請求管理アプリからfreee請求書APIにデータを送信すると、自動的にPDFが生成され顧客に送信
- 売掛金の自動登録 - freee請求書で作成された請求書は、freee会計に売掛金として自動登録
- 入金情報の自動反映 - freee会計が銀行口座から入金データを自動取得し、kintone請求管理アプリに自動反映
同様の連携は、ジョブカン勤怠管理やマネーフォワードなど、API連携が可能な他のシステムでも実現できます。貴社が既に導入されているシステムとの連携も柔軟に対応可能です。
kintone単体での帳票出力・メール送付
外部システムと連携しない場合でも、kintone内で請求書や契約書などのPDFを出力し、メール送付することが可能です。帳票プラグインを使用することで、自社フォーマットに合わせた帳票を作成し、顧客に直接送信できます。
チャットツール連携
Slack、Microsoft Teams、Chatworkなどのビジネスチャットツールと連携することで、重要な通知をリアルタイムで受け取れます。
- 契約更新アラート(契約終了1ヶ月前に営業担当者に通知)
- 請求書送付完了通知(請求書が送付されたら経理担当者に通知)
- 入金確認通知(入金があったら経理責任者に通知)
- 突合要確認通知(勤怠突合で差異が発生したら担当者に通知)
- 承認依頼通知(ワークフローで承認が必要になったら承認者に通知)
SES業務の標準ワークフロー
SES特化型kintoneパッケージを導入すると、以下のような業務フローで運用できます。
標準ワークフロー(7ステップ)
- ステップ1:顧客登録 - 営業担当が新規顧客の情報を顧客管理アプリに登録
- ステップ2:案件登録 - 案件が決まったら、案件管理アプリで案件情報を登録。顧客を選択すると基本情報が自動入力
- ステップ3:契約締結 - 契約管理アプリで契約書PDFを添付し、契約内容を登録。ステータスを「締結済」に更新
- ステップ4:勤怠入力 - エンジニアが日々の勤怠を入力。freee人事労務使用の場合は自動連携
- ステップ5:勤怠突合 - 月初に、顧客から勤怠表を受領し、社内データと突合。差異があれば調整
- ステップ6:請求書発行 - 案件管理アプリで請求金額を計算し、請求管理アプリに送信。freee請求書で自動送付
- ステップ7:入金確認 - freee会計が銀行口座から入金データを取得し、自動でkintoneに反映
この一連の流れが、システム上でシームレスに連携します。各担当者は自分の作業だけに集中でき、全体の進捗状況は管理画面で一目で把握できます。
IPO準備でのメリット
将来的にIPOを目指すSES企業にとって、内部統制の整備は避けて通れない課題です。kintoneを活用することで、IPO準備に必要な要件を効率的に満たすことができます。
内部統制機能の詳細
- アクセス権限管理 - ユーザーごと、部門ごと、役職ごとに、アプリへのアクセス権限を細かく設定可能
- 操作ログの自動記録 - すべてのユーザー操作を自動でログに記録。誰が、いつ、どのレコードを、どのように変更したかが記録される
- ワークフロー機能 - 重要な処理には承認フローを設定。請求書発行前に上長の承認を必須とするなど、適切な承認プロセスを構築
- 変更履歴の保存 - レコードの変更履歴が自動で保存され、データがどのように変更されたかを時系列で追跡可能
- データのエクスポート - 監査時に必要なデータを、CSVやExcel形式で簡単にエクスポート
リアルタイムKPIの可視化
IPO準備では、経営指標をリアルタイムで把握し、経営判断のスピードを上げることが求められます。kintoneのグラフ機能やダッシュボード機能を活用することで、以下のようなKPIを可視化できます。
- 売上推移(月別、顧客別、案件別)
- 粗利率(案件別の粗利率をリアルタイム表示)
- 稼働率(エンジニアの稼働率を部門別、個人別に集計)
- 入金回収率(売掛金の回収状況を可視化)
- 契約更新率(契約の更新率、失注率を追跡)
導入手順と期間
SES特化型kintoneパッケージの導入は、以下のステップで進みます。標準的な導入期間は3〜5ヶ月程度です。
導入ステップ
- 1. 無料相談・ヒアリング - 現状の業務フロー、課題、管理したい項目などをヒアリング
- 2. 最適化プランのご提案 - 貴社に最適なシステム構成、導入スケジュール、費用見積もりをご提案
- 3. ご契約・キックオフ - プロジェクトの進め方、役割分担、スケジュールを確認
- 4. システム構築 - kintoneアプリの設定、freee連携の設定、カスタマイズの実装
- 5. テスト・調整 - 構築したシステムをテスト環境で検証し、必要に応じて調整
- 6. データ移行・操作研修 - 本番環境にデータを移行し、操作研修を実施
- 7. 本番稼働・フォローアップ - 本番稼働後も継続的にサポート
導入実績と成功事例
はてなベースは、複数のSES企業様にkintoneパッケージを導入し、業務効率化と利益改善を実現してきました。ここでは、実際の導入事例をご紹介します。
事例1:SES企業A社様
導入前の課題
- Excelでの案件管理で、情報が分散していた
- 毎月の請求書作成に時間がかかっていた
- 案件別の収支が把握できず、赤字案件を見逃していた
- 契約更新のタイミングを逃すことがあった
導入後の成果
- 請求書作成時間の大幅削減 - 数日かかっていた作業が短時間で完了するようになった
- 案件収支のリアルタイム把握 - 赤字案件を早期発見し、値上げ交渉に成功
- 契約更新率が向上 - アラート機能により、更新タイミングを逃すことがなくなった
- 経理担当者の残業時間削減 - 自動化により、手作業が大幅に減少
導入後、月間の業務工数が大幅に削減され、コスト削減効果が得られました。
事例2:SES企業B社様
導入前の課題
- freee会計は導入済みだが、案件管理は別のExcelで管理していた
- 勤怠突合作業に時間がかかっていた
- 入金管理が煩雑で、督促のタイミングを逃すことがあった
導入後の成果
- 勤怠突合作業の効率化 - パターン別の突合フローにより、作業時間が大幅に短縮
- freee連携により二重入力が解消 - 請求データの入力時間が大幅に削減
- 入金管理の自動化 - 入金確認作業がほぼ不要になり、督促漏れもゼロに
- 経営データの可視化 - 経営会議での報告資料作成時間が大幅に削減
導入後、経理担当者の月間業務時間が大幅に削減されました。空いた時間を経営分析や改善活動に充てることができるようになり、経営の質が向上しました。
はてなベースのSES業界実績
はてなベースは、これまでに複数のSES企業様にkintoneパッケージを導入してきました。さまざまな規模の企業様に対応しており、freeeとkintoneの公式パートナーとして、両システムの連携ノウハウを豊富に持っています。安心してお任せいただけます。
よくあるご質問
Q1. 導入費用はどれくらいかかりますか?
A1. 企業規模や要件により異なりますが、SES特化型パッケージの標準的な導入費用は以下の通りです。
- 初期設定・カスタマイズ費用:250万円〜
- kintoneライセンス費用:月額1,800円/ユーザー〜
- freeeライセンス費用:別途(詳細はfreee会計 料金プラン比較をご覧ください)
IT導入補助金を活用することで、初期費用の最大50%(最大450万円)が補助されます。まずは無料相談で、貴社の状況に合わせたお見積もりをご提示します。
Q2. 既存のExcelデータは移行できますか?
A2. はい、移行可能です。ExcelやCSV形式のデータは、kintoneに取り込むことができます。データの整形や変換が必要な場合は、はてなベースがサポートします。一括インポートで効率的にデータ移行を行います。
Q3. freeeを使っていないのですが、導入できますか?
A3. はい、導入可能です。kintone単体でも十分に機能します。帳票プラグインを使用することで、kintone内で請求書PDFの出力やメール送付が可能です。入金管理もkintone上で手動または半自動で行えます。
ただし、freeeとの連携により業務効率が大幅に向上するため、この機会にfreeeの導入も合わせてご検討されることをおすすめします。はてなベースは、freee認定アドバイザーとして、freeeの導入支援も行っています。
Q4. エンジニアごとに契約単価や精算ルールが異なりますが、対応できますか?
A4. はい、対応可能です。SES特化型パッケージは、エンジニアごと、案件ごとに異なる契約単価、精算ルール(時間単価、日単価、固定単価、上下限精算など)を柔軟に設定できます。複雑な精算ルールにも対応しています。
Q5. 正社員と業務委託者が混在していますが、管理できますか?
A5. はい、管理できます。メンバー管理アプリで雇用形態を設定し、正社員と業務委託者を区別して管理します。正社員はfreee人事労務から情報を取得し、業務委託者はkintoneに直接登録するといった運用が可能です。
Q6. 顧客ごとに勤務表のフォーマットが異なりますが、突合作業を効率化できますか?
A6. はい、効率化できます。勤務表提出パターンを案件ごとに設定することで、パターン別の突合フローが適用されます。過去の差異理由も蓄積されるため、類似の差異が発生した際に素早く対応できます。
Q7. 導入後に自社で設定変更やアプリの追加はできますか?
A7. はい、可能です。kintoneはノーコードでアプリの作成・変更ができるため、管理者権限があれば自社で設定変更やアプリ追加ができます。導入時に操作研修を実施しますので、基本的な運用管理は自社で行っていただけます。より複雑なカスタマイズが必要な場合は、はてなベースが継続してサポートします。
Q8. IT導入補助金の申請サポートはありますか?
A8. はい、フルサポートを提供しています。補助金対象の診断、最適な申請枠の提案、事業計画書の作成支援、申請書類の作成・提出サポート、採択後の実績報告サポートまで、補助金受給までの全プロセスをバックアップします。
Q9. セキュリティ面は大丈夫ですか?
A9. kintoneは、国際的なセキュリティ基準(ISO27001、SOC2など)を満たしており、金融機関や官公庁でも採用されている信頼性の高いプラットフォームです。データは暗号化されて保存され、アクセス権限も細かく設定できます。万が一の障害時にも、データのバックアップが自動で取られているため、データ消失のリスクはほとんどありません。
Q10. 導入後のサポート体制はどうなっていますか?
A10. 導入後1ヶ月間は無償でフォローアップを行います。運用中の疑問点、トラブル対応、追加調整などに対応します。その後も、月額制の保守サポートプランをご用意しています。電話、メール、チャットでのサポート、定期的な改善提案、法改正対応、機能追加などを継続的にサポートします。
まとめ:kintoneでSES業務の効率化と利益最大化を実現
本記事では、SES業界の複雑な業務プロセスを効率化し、利益を最大化するためのkintone活用方法を詳しく解説しました。
重要ポイントのおさらい
- SES業界特有の課題 - 案件情報の散在、請求業務の煩雑さ、勤怠表突合の負担、案件収支の把握困難、契約更新漏れのリスク
- kintoneがおすすめの理由 - 柔軟なカスタマイズ性、SES特化型パッケージの存在、freee完全連携、コストパフォーマンスの高さ、IPO準備対応
- 7つのアプリで一元管理 - 顧客管理、案件管理、契約管理、勤怠管理、請求管理、メンバー管理、注文書管理
- 勤怠表突合検証機能 - 7パターンに分類した突合フローでSES特有の課題を解決
- freee連携で経理業務自動化 - 請求書発行から入金確認までを自動化
- 導入実績と成果 - 複数のSES企業様で業務工数削減、コスト削減を実現
- 標準導入期間1〜2ヶ月 - スモールスタートから段階的に拡張可能
はてなベースにお任せください
はてなベースは、SES業界の業務効率化を専門とするコンサルティング企業です。kintone、freeeの導入・活用支援だけでなく、経理代行、社労士業務、生成AI活用研修など、SES企業の成長を総合的にサポートします。
まずは無料相談で、貴社の課題をお聞かせください。最適なソリューションをご提案します。
関連サービス
はてなベースでは、kintone導入以外にも、SES企業様向けに以下のサービスを提供しています。
- 記帳代行サービス - freee会計を活用した経理実務のアウトソーシング
- 社労士業務代行 - 労働・社会保険手続きの代行、労務管理サポート
- 生成AI活用研修 - 業務効率化のための生成AI研修プログラム
- 営業管理(CRM) - 商談進捗、見積・受注情報の一元管理
- BI分析・可視化 - Looker Studioを活用した高度な経営分析
詳しくは、お問い合わせページからご相談ください。
採用情報
はてなベースでは、SES企業のDX推進を支援するコンサルタント、エンジニアを積極的に募集しています。kintone、freee、生成AIなどの最新技術を活用し、企業の成長を支援する仕事に興味がある方は、ぜひご応募ください。
採用ページ:https://hatenabase.jp/recruit/
免責事項
本記事の情報は2025年10月時点のものです。製品の機能、料金、サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。