「freee会計を導入したものの、いまいち使いこなせていない…」
「毎日の記帳作業や請求書発行が、思ったより楽にならない…」
もし、あなたがそう感じているなら、それは非常にもったいないことかもしれません。freee会計は、ただの会計ソフトではありません。その真価は、日々の面倒な経理業務を「自動化」し、会社の経営状況を「可視化」する強力な機能にあります。
そこで今回は、freee会計のポテンシャルを最大限に引き出し、あなたの会社の経理業務を劇的に効率化する「本当に使える便利機能5選」を、具体的な設定方法も交えて徹底解説します。
1.【究極の自動化】
「自動登録ルール」で仕訳入力から解放
こんな課題ありませんか?
- 毎月発生する家賃や水道光熱費など、同じ取引を手入力するのが面倒…
- 勘定科目をどれにすれば良いか、時々迷ってしまう…
機能紹介
銀行口座やクレジットカードを連携すると明細が自動で取り込まれ、freeeが勘定科目を推測してくれます。「自動登録ルール」は、この推測を100%の精度で自動化するための設定です。例えば、「"〇〇電力"という取引先名の明細は、必ず"水道光熱費"として処理する」といったルールを一度設定するだけで、次回以降、freeeが該当の明細を自動で記帳してくれます。
具体的な使い方・設定方法
- ホーム画面の[設定]→[勘定科目の設定]を開きます。
- [自動登録ルール]タブをクリックし、[新しいルールを追加]を選択します。
- ルールを設定する口座を選択し、取引内容のキーワード(例:「Amazon」「〇〇電力」)や金額の範囲などを指定します。
- 登録したい勘定科目やタグを設定し、保存すれば完了です。
ポイント:「部分一致」や「完全一致」など、キーワードの条件を細かく設定できます。よく使う取引は、このルールに登録しておきましょう。
導入メリット
- 作業時間の短縮: 定期的な取引の入力作業がゼロになります。
- ミスの防止: 人為的な入力ミスや科目の選択ミスがなくなります。
- 属人化の解消: 経理の知識が少ない人でも、正確な記帳が可能になります。
2.【ペーパーレスの決定版】
「ファイルボックス」で領収書管理を効率化
こんな課題ありませんか?
- 紙の領収書や請求書が溜まってしまい、整理や保管が大変…
- 後から特定の領収書を探し出すのに時間がかかる…
機能紹介
スマートフォンアプリで領収書や請求書を撮影するだけで、freeeの「ファイルボックス」に電子データとして保存できる機能です。さらに、OCR(光学的文字認識)機能により、日付、金額、取引先名、インボイス登録番号などを自動で読み取り、データ化してくれます。
具体的な使い方・設定方法
- freee会計のスマートフォンアプリを開き、[ファイルボックス]をタップします。
- 画面下部の撮影ボタンで領収書を撮影します。
- 自動で読み取られた日付や金額を確認し、必要であれば修正して保存します。
- 保存した画像は、仕訳を登録する際に簡単に紐づけることができます。
ポイント: 撮影した証憑にはタイムスタンプが自動で付与されるため、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件にも対応できます。もう、領収書をノートに糊付けする必要はありません。
導入メリット
- ペーパーレス化の実現: 面倒なファイリング作業から解放され、保管スペースも不要になります。
- 検索性の向上: 日付や取引先で簡単に検索でき、過去の取引確認が瞬時に完了します。
- リモートワークとの親和性: オフィス外でも経費精算や証憑確認がスムーズに行えます。
3.【請求業務を完全自動化】
「請求書作成予約」で請求漏れを防止
こんな課題ありませんか?
- 毎月同じ内容の請求書を作成して、メールで送る作業が手間…
- 忙しくて、うっかり請求書の発行を忘れてしまったことがある…
機能紹介
毎月や毎週など、定期的に発生する請求書を、指定した日に自動で作成・送付できる機能です。一度設定してしまえば、あなたは何もする必要がありません。
具体的な使い方・設定方法
- freee会計で請求書を作成する際に、[定期請求]のオプションを選択します。
- 請求を開始する日、請求サイクル(毎月、毎週など)、終了日を設定します。
- 作成と同時にメールで送付する設定も可能です。
導入メリット
- 請求業務の完全自動化: 面倒な繰り返し作業から解放されます。
- 請求漏れの防止: 請求忘れがなくなり、キャッシュフローの安定に繋がります。
- 顧客満足度の向上: 常に正確なタイミングで請求書が届くため、取引先からの信頼性が高まります。
4.【売掛金管理を効率化】
「自動消込」で入金確認の手間をゼロに
こんな課題ありませんか?
- 銀行口座の入金明細と請求書を一つひとつ照らし合わせて、消込作業をするのが大変…
- 振込手数料が引かれていたりすると、確認がさらに複雑になる…
機能紹介
銀行口座と連携することで、入金明細と発行済みの請求書(未決済の取引)をfreeeが自動で照合し、「この入金は、この請求に対するものではないですか?」と提案してくれます。
具体的な使い方・設定方法
- [取引]→[自動で経理]を開きます。
- 銀行から取り込まれた入金明細ごとに、freeeが推測した消込候補の請求書が表示されます。
- 内容が正しければ[登録]ボタンをクリックするだけで消込が完了します。
導入メリット
- 消込作業の時間を大幅に削減: 目視での確認作業がなくなり、月初の憂鬱な作業から解放されます。
- 人的ミスの防止: 消込漏れや二重消込といったミスを防ぎ、正確な売掛金管理を実現します。
- 資金繰りの可視化: 未入金の状況がリアルタイムで正確に把握でき、迅速な督促対応が可能になります。
5.【脱・どんぶり勘定】
「タグ・セグメント活用」で経営を可視化
こんな課題ありませんか?
- どの事業や商品が本当に儲かっているのか分からない…
- 感覚的な経営判断から脱却し、データに基づいた意思決定をしたい…
機能紹介
日々の取引に「部門」「取引先」「品目」といったタグを付与できます。さらに強力なのが「セグメント」機能です。これは、部門などの枠組みとは別に、独自の分析軸(例:「〇〇プロジェクト」「関東エリア」など)を設定できる機能です。
具体的な使い方・設定方法
- [設定]→[セグメントの設定]から、分析したい軸でセグメントタグを作成します。
- 日々の取引を登録する際に、該当するセグメントタグを付与します。
- [レポート]→[損益レポート]などで、セグメントごとの売上や利益率を瞬時に確認できます。
導入メリット
- 経営状況の解像度が向上: どの事業が好調で、どこに課題があるのかが一目瞭然になります。
- データドリブンな経営判断: データに基づいた的確な戦略立案が可能になります。
- 迅速な意思決定: リアルタイムで経営状況を把握できるため、変化に素早く対応できます。
まとめ:freee会計を「業務改善ツール」へ
今回ご紹介した5つの機能は、freee会計が持つ機能のほんの一部です。しかし、これらを一つでも使いこなすだけで、あなたの経理業務は劇的に効率化され、ビジネスの成長に繋がる貴重な時間を生み出すことができるはずです。
freee会計は、単なる「会計ソフト」ではありません。使い方次第で、あなたのビジネスを力強くドライブさせる「業務改善ツール」へと進化します。
freee会計の運用、専門家にお任せください
freee会計の導入や、より効率的な運用について専門家のアドバイスが必要な場合は、freeeに特化した「はてなベース税理士事務所」へお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら