1.導入前の課題・背景

近年、DX推進の必要性が高まる中、税理士法人を含む多くの士業事務所では、顧客管理や業務の効率化が大きな課題となっています。
たとえば、法人/個人事業主からの"確定申告依頼"や"月次決算業務"、契約更新管理、書類受渡しなど、複雑に絡み合う大量の案件・顧客対応が日々発生します。しかし、
- 顧客情報が「Excel台帳・紙の顧客カード・担当者メモ」などに分散し最新情報が分かりづらい
- 案件の進捗状況、対応履歴がバラバラで「いま何がどこまで進んでいるか」管理職ですら把握困難
- 様々なタスク(資料回収、申告内容確認、e-Tax提出など)の"抜け漏れ"や二重作業が発生
- 口頭・メール連絡による「言った言わない」「伝わっていない」が現場のストレス・ミスの一因
課題の深刻さ
これらが積み重なり、税務申告期限直前のドタバタや確認作業のムダ増加、クライアントへの対応遅延・信頼低下…という事態も珍しくありません。
実際、1つの申告案件あたり平均30分超の"進捗確認・情報探し"時間が発生。さらに、手続きミスや書類提出遅延によるクレームが月1~2件発生していた、という事例も耳にします(自社ヒアリングや業界アンケートより)。
こうした事態は、担当者の残業・ストレス増大や顧客満足度の低下、業績面でのロスにも直結してしまっています。
2.Chatworkとkintoneの特徴と連携の重要性
kintoneの強み — 案件や顧客情報の一元管理
kintone(キントーン)は、顧客管理や案件進捗を自社業務に最適化したアプリで"柔軟に一元管理"できるクラウドサービスです。
- クライアント一覧・契約状況・昨年申告内容・資料受渡記録・対応履歴などすべての情報を1つの画面で見える化
- 進捗ステータス(資料未回収・書類作成中・申告待ち・完了など)や担当者をリアルタイム更新・検索しやすい
- 権限管理やアクセス履歴も完備、不正アクセスやうっかりミスも防止
Chatworkの強み — 業務コミュニケーション&タスクの可視化
Chatworkは、たとえば
- 担当スタッフごとの"申告準備タスク"や"資料回収依頼"をグループチャットやタスク一覧で共有
- タスク完了チェックや、期日になったら自動リマインド通知
- 担当交代や、外部専門家(税務顧問/社労士など)との情報連携もスムーズ
といった運用に優れており、"メールよりも迅速・確実なコミュニケーション基盤"を構築できます。
kintone×Chatwork連携の効果
- kintoneの案件情報・進捗が更新されたタイミングで、「Chatworkで担当者やリーダーへ自動通知」
- 「書類提出の受付」「e-Tax送信手順の開始」「顧客への確認依頼」など特定の工数・タスク発生を自動でChatwork上にタスクとして発行
これによって、「伝達ミス」「タスク漏れ」「二重作業」「確認遅れ」といった士業業界特有のヒューマンエラーを大幅に減らせます。また管理職やリーダーも複数案件の棚卸や、進捗冒頭の全体把握が劇的にやりやすくなります。
3.税理士法人での成功事例
事例:税理士法人Aのケース

課題
- "年間200社の顧客"をExcelベースで管理し、申告期・契約更新時に毎回「資料提出状況」確認・担当者への催促で大混乱。
- 申告書類作成やe-Tax提出など"多数のタスク"が紙・口頭ベースで割り振られていたため、毎年最大10件以上のタスク/進捗漏れが発生→クレームや納税遅延リスクも。
- 管理者からの進捗把握依頼や、緊急対応の連絡が「メールで埋もれる」「状況が即座に見えない」という情報共有の遅れが慢性化。
導入と施策
- kintoneで「顧客管理・申告案件進捗アプリ」を構築。各クライアントの申告種別・担当・進捗(資料提出待ち/申告書作成中/提出完了)、契約情報まで一元化。
- ChatworkとAPI連携し、「進捗ステータス変更」時に該当作業者や管理者グループへ自動通知・タスク登録。
- 例:顧客が指定資料をアップロード→即座に担当者にChatwork通知/タスクが飛ぶ
- 「申告チェック完了→e-Tax送信タスク」をタイムリーにリーダーへ通知
成果
- 「タスク漏れ・進捗遅延」は"年度で1件以下"に減少(前年比95%削減)
- 管理職による案件確認・督促の"作業時間が従来の3分の1"に短縮
- 案件対応件数が年150件→2年で250件へ増加しながら"残業月間20時間分を削減"
- 顧客からの「進捗問い合わせ」「対応遅延」に関するクレームが8割減少
現場・管理者の声
「進捗棚卸や情報共有が"Chatwork通知一本で済む"ので、確認・催促工数が圧倒的に減った」
「タスクが明文化・自動通知されるので、担当者交代や引継ぎがしやすい。スタッフのストレスも減った」
「ミス・対応漏れがほぼ根絶でき、顧客満足度が目に見えてアップした」
4.効果の見える化と運用の工夫
タスク・通知のカスタマイズ
- 「進捗状況が"未回収→回収済み"に切り替わったときだけ特定メンバーに通知」
- Chatwork通知に「顧客名・申告期限・次アクション」が分かるテンプレートでミス予防
効果測定
- タスク漏れ件数(月別推移)・作業時間(1案件あたり)を定量評価
- 「残業時間」「進捗報告件数」「クレーム数」なども可視化して社内改善を議論
現場評価
「Chatwork連携で"何をいつまでにやれば良いか"明確に、繁忙期ストレスが激減した」
「突発クライアント対応も現場全員で迅速対処できる」
5.顧客視点&利用者視点のメリット
- 初動対応や進捗連絡が早く、申告書書類のやりとりもスムーズ→「迅速かつ正確な対応」=顧客安心
- 「誰がどの工程を処理したか記録が残る」ので、トラブル対応・説明責任も万全
- タスクや通知の自動化で担当者の手間やストレスが減り、働きやすい環境・離職防止にも
6.まとめと今後の展望
「Chatwork×kintone連携」は、税理士法人を含む士業現場における"情報分散・進捗混乱"の根本的解決策として、今後ますます重要視されます。
まず「課題の可視化」→「ツール導入」→「現場運用/定着化」の三段階定着を地道に進めることが成功の近道です。
今後は「AIによる資料整理や文書チェック自動化」「より細かい作業割当の自動最適化」もトレンドとなるでしょう。
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