【会計士監修】freee for kintone連携の現実解|はてなベース株式会社
DX 2025.11.25

【会計士監修】freee for kintone連携の現実解
公式プラグインの限界からAPI開発まで徹底比較

「kintoneで管理している案件情報を、ボタン一つでfreeeの請求書にしたい」
「経理担当者が毎月手入力している転記作業を自動化したい」

kintoneとfreeeという2大クラウドツールを利用している企業であれば、誰もが一度はこの「連携」を検討するはずです。しかし、いざ連携しようとすると「どのプラグインを使えばいいのかわからない」「設定を間違えて決算数値がズレるのが怖い」という壁にぶつかります。

世の中には「連携できます」という記事は溢れていますが、「経理実務として本当に耐えうるのか?」まで踏み込んだ情報は驚くほど少ないのが現状です。

本記事では、公認会計士とシステムエンジニアの両方が在籍するはてなベース株式会社が、単なる機能紹介ではなく、「経理の現場が納得し、システムとして安定する」ための、失敗しないfreee for kintone連携のすべてを解説します。

1. なぜ今、「kintone × freee」の連携が必要なのか?(会計士の視点)

「便利だから」だけではありません。会計・税務のプロフェッショナルな視点から見ると、この2つを連携させることには経営上の重大なメリットがあります。

① 転記ミスの撲滅と税務リスクの低減

人間が手作業でkintoneからfreeeへ数字を転記する場合、どうしても「入力ミス」や「請求漏れ(売上計上漏れ)」のリスクが発生します。
特に売上の計上時期がズレたり、金額を間違えたりすることは、決算の修正が必要になるだけでなく、税務調査での指摘事項にもなり得ます。システム連携により「人の手を介さない」フローを作ることは、最強の内部統制となります。

② インボイス制度・電帳法への完全対応

インボイス制度開始後、請求書には登録番号や正確な税率ごとの消費税額の記載が必須となりました。
kintone側で取引先マスタ(適格請求書発行事業者番号)を管理し、それをそのままfreeeに連携することで、「kintoneは営業管理、freeeは証憑発行・保管」という役割分担を明確にし、法令対応コストを下げることができます。

③ 予実管理のスピードアップ(月次決算の早期化)

経営者が一番知りたいのは「今月の着地見込み」です。kintone(速報値)とfreee(確定値)が連携されていないと、経理が締め作業を終えるまで正確な数字が出ません。リアルタイム連携を実現することで、経営者は「今の数字」を見て即座に意思決定ができるようになります。

2. freeeとkintoneを連携する3つの方法【徹底比較表】

連携方法は大きく分けて3つあります。自社の予算とやりたいことに合わせて選ぶ必要があります。

連携方法 ① 公式プラグイン ② 他社製プラグイン ③ APIスクラッチ開発
サービス名例 freee for kintone ATTAZoo, 連携ソリューション等 自社開発 / 開発会社への委託
初期費用 無料 数万〜数十万円 50万円〜
月額費用 無料 1万〜5万円程度 サーバー代等(保守費除く)
導入難易度 低(設定のみ) 中(設定+契約) 高(要件定義が必要)
柔軟性 ×(固定) △(ある程度可) ◎(自由自在)
推奨企業 まずは安く試したい 特定の機能だけ欲しい 独自の業務フローがある

③ APIスクラッチ開発について

プラグインやiPaaSでも対応できない複雑な要件(例:特殊な消込ルール、原価計算との連動など)がある場合、freee公開APIを使って独自の連携プログラムを開発します。実は、中堅規模以上の企業ではこのパターンが最も「業務にフィットする」正解になることが多いです。

3. 【重要】公式プラグイン「freee for kintone」の限界と注意点

導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために必ず読んでいただきたいポイントです。公式プラグインは優秀ですが、万能ではありません。

限界1:複雑な「仕訳」に対応できない

公式プラグインは「請求書を作る」ことには長けていますが、会計的な「仕訳」のコントロールには弱点があります。

  • 前受金の消込: 「今月入金されたが、売上は来月」といった前受金処理を自動化するのは困難です。
  • 複数税率・源泉徴収: 複雑な計算ロジックが必要な場合、エラーが頻発します。

限界2:大量・一括処理が苦手

「月末に300件の請求書を一括作成して、一斉にメール送付したい」といった場合、APIの呼び出し制限やエラー時のリカバリーの観点で、運用が不安定になることがあります。

限界3:独自の承認フローとの連動

「kintoneで部長が承認ボタンを押した瞬間だけ、freeeに連携したい」といった場合、kintoneのプロセス管理と完全に連動させるには限界があり、誤連携のリスクがあります。

4. あなたの会社はどのパターン?連携診断チャート

自社がどの方法を選ぶべきか、簡易診断で判定してみましょう。

Q1. 毎月の請求書発行枚数は?
Q2. 特殊な商流(前受金、分割請求、立替金など)はある?
【パターンA】まずはシンプルに始めたい

→ 「公式プラグイン」がおすすめ
コストをかけず、標準機能の範囲内で業務フローを合わせられる場合はこれがベストです。

【パターンB】複雑な業務フロー・独自の管理体系がある

→ 「APIスクラッチ開発」がおすすめ
SES事業や建設業など、業界特有のロジックがある場合は、開発した方が結果的に安く安定します。

※はてなベースの事例: SES企業様にて、勤怠管理から請求金額計算、freee連携、入金消込までを完全自動化しました。

5. 公式プラグインで解決できない場合の「はてなベース流」解決策

「やってみたけど、エラーが出る」「ウチの業務フローには合わなかった…」そんな時は、会計とITのプロフェッショナル集団であるはてなベースにご相談ください。

① kintone × freee API連携開発

貴社の業務フローをヒアリングした上で、最適なAPI連携プログラムを構築します。「プラグインの制約」に縛られず、「やりたいこと」を100%実現します。

② 導入支援 + 研修(オンボーディング)

システムは作って終わりではありません。「経理担当者が使いこなせるか不安」という声にお応えし、マニュアル作成や研修動画の提供までサポートします。

③ IT導入補助金の活用(2025年度対応)

はてなベースはIT導入補助金の支援事業者です。インボイス枠などを活用することで、費用の最大2/3〜3/4の補助を受けられる可能性があります。

6. よくある質問(FAQ)

  • Q. 連携開発にかかる費用の相場は?
    A. 簡易なものであれば数十万円から、複雑な業務システム構築を含めると数百万円規模まで幅広いです。まずは概算見積もりをご依頼ください。
  • Q. インボイス制度には対応していますか?
    A. はい。freee自体が完全対応しており、kintoneから必要な情報を正しく連携させれば問題ありません。
  • Q. 既存の会計ソフトからの移行も含めて相談できますか?
    A. 可能です。弊社には公認会計士・税理士が在籍しておりますので、会計データの移行からサポート可能です。

まとめ

まずはスモールスタートなら「公式プラグイン」。しかし、複雑な商流や独自ルールがある場合は、無理せず「API開発」や専門家の支援を検討してください。
会計知識とシステム知識の両方が必要な領域だからこそ、両方の知見を持つパートナーを選ぶのが成功への近道です。

自社の業務フローで公式プラグインが使えるか不安ですか?

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