問い合わせが半減!Difyで既存FAQページを“24時間働くAIチャットボット”に変える方法 | はてなベース株式会社

問い合わせが半減!
Difyで既存FAQページを“24時間働くAIチャットボット”に変える方法

はてなベース株式会社 公式ブログ

はじめに:「また、この質問か…」

カスタマーサポートの現場で、あなたのチームは、今日も同じ質問に答えていませんか?

「退会方法を教えてください」「料金プランの違いは何ですか?」「パスワードを忘れました」

その答えは、すべてWebサイトの「よくある質問(FAQ)」ページに、丁寧に書かれているはず。それなのに、ユーザーはなぜか問い合わせてくる。その一件一件に対応することで、チームメンバーは疲弊し、本来注力すべき、より複雑な問題の解決や、顧客満足度をさらに高めるための活動に、時間を全く使えていない…。

もし、あなたがこの**「繰り返される定型的な問い合わせ」と「顧客の待ち時間」**という、2つの大きな課題に、根本的な解決策を見出せずにいるなら、この記事はあなたのための「救世主」です。

今回ご紹介するのは、プログラミング知識ゼロで、既存のFAQページのURLを“コピペ”するだけで、24時間365日、ユーザーの疑問に自動で寄り添う**「AIサポートアシスタント」を、あなた自身の手で作り上げる具体的な方法です。その主役となるのが、ノーコードAIチャットボット構築ツール「Dify」**です。

この記事を読み終える頃、あなたは以下のスキルと未来を手にしています。

  • 問い合わせ対応工数を劇的に削減し、チームの生産性を向上させる具体的なチャットボット構築の全ステップ
  • Difyの基本的な使い方と、カスタマーサポート業務で活用するためのノウハウ
  • ユーザーの自己解決を促し、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)を同時に向上させる新しい仕組み
  • 定型業務をAIに任せ、人間はより高度で、血の通ったサポートに集中できる、新しいカスタマーサポートの姿

もう、同じ質問に答えるために、貴重な時間を浪費するのは終わりにしましょう。AIという超有能な新人をチームに迎え入れ、あなたのカスタマーサポートを、次の次元へと進化させるのです。

シナリオのご紹介:今日の主人公は、サブスクサービスのカスタマーサポートリーダー

この物語は、日々顧客と真摯に向き合う、すべてのカスタマーサポート担当者の物語です。彼女の抱える課題と、AIによる解決のプロセスに、ぜひご自身の業務を重ね合わせてみてください。

【登場人物】

  • 高橋さん: サブスクリプション型のオンラインフィットネスサービス「Fit-Life Online」のカスタマーサポートチーム・リーダー。

【高橋さんの課題】

問い合わせの約8割が、「退会方法」「料金プラン」「機能の使い方」といった、FAQページを見れば解決する定型的な質問であることに気づいている。しかし、ユーザーはFAQページを探してくれない、あるいは見ても解決できない。この繰り返し作業にメンバーは疲弊し、モチベーションの低下も懸念される。問い合わせ対応に追われ、付加価値の高い業務に着手できないことに、強い危機感を抱いていた。

今回は、この高橋さんが、**無料から使えるノーコードAIプラットフォーム「Dify」**を使い、この長年の課題を解決していく全プロセスを、誰にでも再現できるように解説していきます。

第1章:なぜ、あなたの「よくある質問(FAQ)ページ」は機能しないのか?

AIチャットボットの話をする前に、そもそもなぜ、私たちが良かれと思って設置した「よくある質問(FAQ)ページ」が、ユーザーに活用されないのか、その根本的な原因を理解しておく必要があります。

多くのFAQページは、ユーザーにとって「不親切な図書館」のようなものです。

  • 【探せない】蔵書が多すぎて、どこに何があるか分からない: ユーザーは、自分の悩みがどのカテゴリに分類されるのか、直感的に分かりません。
  • 【読みたくない】専門書のように、文字がぎっしり: 長文のテキストがずらっと表示され、多くのユーザーはそれを見た瞬間に読む気をなくしてしまいます。
  • 【解決しない】自分のケースに合う本がない: FAQは、あくまで「よくある」質問にしか答えられず、少し特殊な疑問にはピンポイントで答えられません。

現代のユーザーは、優秀な司書に「〇〇について知りたいんだけど」と、曖昧な言葉で尋ねて、最適な答えをピンポイントで教えてもらうことを望んでいます。FAQチャットボットは、まさにこの「優秀なAI司書」の役割を果たしてくれるのです。

第2章:Difyとは? なぜ、既存のFAQページを“賢く”できるのか?

「AIチャットボットを作るなんて、専門知識が必要で、コストもかかるのでは?」その常識は、もはや過去のものです。「Dify」は、その常識を根底から覆します。

Difyの最大の特徴は、**「ナレッジベース」**という考え方です。これは、AIに学習させるための「知識の源」を、驚くほど簡単に構築できる機能です。

  • プログラミングは一切不要: 直感的な管理画面をマウスで操作するだけです。
  • 既存の資産が無駄にならない: PDFやWord形式のマニュアル、ExcelやCSV形式のQ&Aリストを、そのままアップロードするだけで、Difyが自動で内容を理解し、AIの知識として吸収してくれます。
  • 【最強機能】Webサイトを直接読み込む: 既存の「よくある質問」ページのURLをDifyに貼り付けるだけで、Difyがサイトを自動で巡回(クロール)し、ページ上のQ&A情報を根こそぎ抽出して、AIのナレッジにしてしまいます。

Difyは、あなたの会社に眠る「情報の資産」を、ユーザーと対話できる「賢いAI」へと、いとも簡単に生まれ変わらせてくれるのです。

第3章:実践編|Difyで“24時間働く”AIサポートアシスタントを作る全ステップ

お待たせしました。いよいよ、高橋さんと一緒に、Difyを使ってFAQチャットボットを構築していく具体的なプロセスを、ステップ・バイ・ステップで見ていきましょう。

【ステップ1】ナレッジの準備:AIの“教科書”は、あなたのWebサイトそのもの

通常、AI開発で最も大変なのが、このデータ準備です。しかし、Difyを使えば、この工程は数秒で終わります。高橋さんは、ブラウザで自社の「よくある質問」ページを開き、そのURLをコピーしました。これだけです。

【ステップ2】Difyアプリの作成とナレッジの投入

  1. Difyにサインアップ・ログインし、「アプリを作成」から「チャットボット」を選択します。アプリ名を「Fit-Life Online AIサポート」と入力しました。
  2. 作成されたアプリの左側メニューから**「ナレッジ」**を選択します。
  3. **「ナレッジを作成」をクリックし、「データソース」の選択画面で「Webサイトから同期」**を選びます。
  4. URL入力欄に、FAQページのURLを貼り付け、「次へ」をクリックします。

たったこれだけで、あなたの会社のFAQを知り尽くした、AIの「脳(ナレッジベース)」が完成しました。

【ステップ3】AIへの“しつけ”:サポート担当者としての振る舞いを教える

脳ができたので、次はAIに「人格(ペルソナ)」と「行動規範」を教え込みます。左側メニューから**「プロンプト」**を選択し、「システムプロンプト」の欄に、AIへの指示書を書き込みます。

【プロンプト例:AIへの役割と行動規範の指示】

# あなたの役割と行動規範

あなたは、オンラインフィットネスサービス「Fit-Life Online」のカスタマーサポートAIアシスタントです。あなたの使命は、お客様の疑問や問題を、親切、丁寧、かつ正確に解決することです。

## 行動規範(厳守事項)
1. **正確性**: 回答は、必ずアップロードされたナレッジベースの内容にのみ基づいてください。
2. **平易性**: 回答は、専門用語を避け、常に分かりやすく、平易な言葉で説明してください。
3. **エスカレーション**: あなただけでは解決できない問題を受け取った場合は、絶対に無理に答えようとせず、必ず「申し訳ございません。お問い合わせの件につきましては、担当者が詳しく状況をお伺いした上で、責任を持って対応させていただきます。大変お手数ですが、こちらの【お問い合わせフォーム】(URL)より、再度内容をご連絡いただけますでしょうか。」と案内してください。
4. **クロージング**: 回答の最後には、必ず「ご不明な点は解消されましたでしょうか?他に何かお困りのことはございませんか?」という一文を付け加えてください。

【ステップ4】テストと微調整:AIの“研修”を行う

公開前に、様々な質問を投げかけて、想定通りに動作するかを徹底的にテストします。

テスト会話の例

あなた: 「退会方法がわかりません」

AIアシスタント: 「退会のお手続きですね。Fit-Life Onlineでは、マイページ内の『契約情報』メニューから、いつでも簡単にお手続きいただけます。…(以下、具体的な手順を説明)…。ご不明な点は解消されましたでしょうか?」

あなた: 「全然痩せない!どうなってるんだ!」

AIアシスタント: 「申し訳ございません。お問い合わせの件につきましては、担当者が詳しく状況をお伺いした上で、責任を持って対応させていただきます。…」

AIが、ナレッジにある質問には正確に答え、対応できないクレームには、指示通りに人間の担当者へエスカレーションすることを確認します。

【ステップ5】Webサイトへの“出勤”:AIアシスタントをサイトに設置する

研修を終えたAIアシスタントを、いよいよWebサイトに“出勤”させます。

  1. Difyアプリの左側メニューから**「公開」**を選択します。
  2. **「埋め込み」というタブをクリックすると、数行のHTMLコード(<script>タグ)が生成されています。このコードを「コピー」**します。
  3. あなたのWebサイトのHTMLソースコードのタグ直前に、コピーしたコードを貼り付けます。

24時間365日、文句も言わずに働き続ける、超有能なサポートアシスタントが誕生した瞬間でした。

第4章:導入効果と、その先の未来

Difyで作成したAIチャットボットを導入してから1ヶ月後。高橋さんのチームには、驚くべき変化が訪れました。

  • 問い合わせ件数が52%削減: これまで毎日数十件寄せられていた、FAQに関する定型的な問い合わせが、ほぼゼロになりました。
  • 顧客満足度の向上: 「夜中でもすぐに疑問が解決できて助かった」といった声が多数寄せられ、サポート満足度が向上しました。
  • サポートチームの変革(これが最大の成果): 問い合わせ対応の工数が劇的に削減されたことで、高橋さんのチームは、**「プロアクティブ(能動的)なサポート」**に着手できるようになりました。

第5章:注意点と成功の秘訣

  • ナレッジベースの「鮮度」が命: 料金プランやサービス内容が変更されたら、真っ先にFAQページを更新する。この運用ルールを徹底することが、信頼性を保つ上で最も重要です。
  • AIに「できないこと」を明確にする: AIは万能ではありません。AIで対応できない場合は、スムーズに人間のオペレーターに繋ぐ「エスカレーションフロー」を必ず設計しておきましょう。

まとめ:最高のサポートは、AIと人間の“協業”から生まれる

FAQチャットボットは、単なるコスト削減ツールではありません。それは、顧客には「待たせない、迷わせない」というストレスフリーな体験を、そして、**従業員には「単純作業からの解放」と「より付加価値の高い仕事への集中」**を、同時にもたらす、攻めのカスタマーサポートを実現するための、強力な武器です。

そして何より素晴らしいのは、Difyのようなツールの登場により、この強力な武器を、今日からでも、エンジニアではない、私たち自身の手で手に入れられるようになった、という事実です。

あなたの会社にも、AIという最高の新人を迎えて、顧客からも、社員からも愛される、新しいカスタマーサポートの形を、創り上げてみませんか?

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今回ご紹介したFAQチャットボットは、カスタマーサポートDXの第一歩です。「問い合わせ内容をAIで分析し、顧客が“つまずく”ポイントを特定、サービスのUI/UXを改善したい」「顧客の利用状況データから、AIで解約リスクを予測し、プロアクティブなフォローを行いたい」「AIを活用して、顧客一人ひとりにパーソナライズされたサポートや、アップセルの提案を行いたい」

このような、より高度で、LTV(顧客生涯価値)の最大化に直結する「カスタマーサクセス戦略」にご興味はありませんか?

はてなベース株式会社では、AIチャットボットの導入支援から、顧客データ分析、戦略立案まで、貴社のカスタマーサクセスをトータルでサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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