法人税の計算方法を徹底解説!freee会計で賢く節税 - はてなベース税理士事務所

法人税の計算方法を徹底解説!freee会計で賢く節税

「法人税の計算って、なんだか難しそう…」
「うちは小さい会社だから、経理にそんなに時間をかけられない…」
従業員10名程度の同族会社を経営されている社長様や経理担当の皆様、このようなお悩みはありませんか?法人税の申告は、年に一度必ずやってくる重要な業務ですが、その複雑さから頭を抱えてしまう方も少なくないでしょう。

しかし、ご安心ください。この記事では、法人税の計算方法の基本から、小規模な会社だからこそ知っておきたい節税のポイント、そして会計ソフト「freee会計」を活用していかにスムーズに、そして賢く法人税申告を行うことができるのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

この記事は、freee認定アドバイザー5つ星のはてなベース税理士事務所が監修しています。freee会計を既に利用されている方、これから導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧いただき、日々の経理業務と法人税申告にお役立てください。

1. 法人税とは?あなたの会社のための基礎知識

法人税の計算方法を理解する前に、まずは「法人税とは何か」という基本的な部分をしっかりと押さえておきましょう。

法人税のシンプルな定義

法人税とは、法人が事業活動を通じて得た「利益(所得)」に対して課される国税です。個人における所得税の法人版と考えるとイメージしやすいかもしれません。重要なのは、売上全体ではなく、売上から経費を差し引いた「利益」に対してかかる税金であるという点です。この点を誤解されている方も少なくないため、まずはしっかりと区別しておきましょう。

誰が支払う必要があるのか?(対象となる法人)

原則として、株式会社や合同会社といった法人は、その事業年度で得た所得に対して法人税を納める義務があります。もし事業が赤字で所得がなかった場合でも、法人住民税の均等割など、一部の税金が発生する可能性があるため、申告自体は必要となるケースが一般的です。

「事業年度」という考え方

法人税は、法人が定めた決算月を起点とした1年間、つまり「事業年度」ごとに計算されます。例えば、3月決算の会社であれば、4月1日から翌年の3月31日までが1つの事業年度となります。多くの会社では事業年度を1年間としていますが、会社設立初年度など、1年未満となる場合もあります。そして、この事業年度が終了した後、原則として2ヶ月以内に法人税の申告と納税を行う必要があります。

これらの基本的な知識は、法人税計算の第一歩です。特に「利益に対して課税される」という点と、「事業年度ごとに計算・申告する」という点は、しっかりと覚えておきましょう。

2. 法人税はどうやって計算するの?基本の4ステップ

法人税の計算は、一見複雑に見えますが、基本的な流れを理解すれば、決して難解なものではありません。ここでは、法人税額が算出されるまでの主要な4つのステップを順を追って解説します。

全体の流れとしては、まず会社の日々の取引から「会計上の利益」を算出し、それに税法特有の調整を加えて「課税所得」を確定させます。そして、その課税所得に「法人税率」を乗じ、最後に「税額控除」を差し引くことで、最終的な法人税額が決定します。

ステップ1:会計上の利益を把握する(売上 - 経費)

法人税計算の出発点は、会社の「会計上の利益」を正確に把握することです。これは、損益計算書に記載される「税引前当期純利益」にあたります。具体的には、事業年度内の総売上から、売上原価、販売費及び一般管理費などの経費を差し引いて計算されます。

freee会計のメリット:日々の記帳から決算書作成までを自動化・効率化

この最初のステップで非常に役立つのが、freee会計のようなクラウド会計ソフトです。

  • 取引の自動取込・自動仕訳: 銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動で取り込み、AIが勘定科目を推測して提案してくれます。これにより、手入力の手間が大幅に削減され、入力ミスも防ぎやすくなります。
  • 請求書発行から売上計上まで連携: freee会計で請求書を発行すれば、その情報が自動的に売上として計上され、入金管理までスムーズに行えます。
  • リアルタイムな財務諸表の作成: 日々の取引をきちんと入力・処理していれば、損益計算書や貸借対照表といった決算書がリアルタイムに近い形で自動作成されます。

このように、freee会計を活用することで、法人税計算の基礎となる「会計上の利益」を、手間をかけずに、かつ正確に算出するための土台を築くことができます。

ステップ2:税務調整で「課税所得」を算出する

会計上の利益がそのまま法人税の課税対象になるわけではありません。会計上のルールと税法上のルールには差異があるため、「税務調整」という作業を通じて、会計上の利益を税法上の「課税所得」に修正する必要があります。

税務調整には、会計上の利益にプラスする「加算調整」と、マイナスする「減算調整」があります。

  • 主な加算調整(損金不算入): 交際費の限度超過額、役員報酬の損金不算入額、寄付金の損金不算入額、減価償却費の償却超過額など。
  • 主な減算調整(益金不算入など): 受取配当等の益金不算入、繰越欠損金の損金算入など。
freee会計とfreee申告の連携メリット:

freee会計と連携する「freee申告」を利用すると、会計データをもとに税務調整項目を効率的に処理し、課税所得の計算をサポートしてくれます。

ステップ3:「法人税率」を適用する

課税所得が確定したら、次に法人税率を乗じて法人税額の基本部分を計算します。法人税率は、法人の種類や所得金額によって異なります。

中小企業向けの軽減税率(中小法人):

資本金1億円以下の法人などの「中小法人」には、税負担を軽減するための特例措置が設けられています。

課税所得の区分 税率
所得金額 年800万円以下の部分 15%
所得金額 年800万円超の部分 23.2%
(参考) 中小法人以外の法人 23.2%

(注)上記は一般的な中小法人の普通法人に関する税率です。適用条件の詳細は国税庁の情報を確認してください。

ステップ4:「税額控除」を差し引いて最終税額を決定

法人税率を乗じて計算された税額から、さらに「税額控除」を差し引くことができます。税額控除は、算出された税金そのものから直接マイナスできるため、節税効果が非常に大きい制度です。賃上げ促進税制や中小企業投資促進税制など、様々なものがあります。

3. 小規模・同族会社のための重要税務ポイント

従業員10名程度の同族会社の場合、一般的な法人税のルールに加えて、特に注意すべき税務上のポイントがいくつか存在します。

A. 役員報酬:損金算入のための正しいルール

役員報酬は、従業員の給与とは異なり、税法で定められたルールに従って支給しないと、経費として認められず、結果として法人税負担が増えてしまう可能性があります。主な形態は以下の通りです。

  • 定期同額給与:毎月決まった日に、決まった金額を支給する給与。
  • 事前確定届出給与:事前に税務署に届け出て、その通りに支給する賞与など。

B. 交際費:どこまで経費にできる?

交際費も税法上の取り扱いには注意が必要ですが、中小企業には有利な特例があります。

  • 年間800万円まで全額を損金として算入可能。
  • 1人あたり10,000円以下の飲食費は、「会議費」などとして全額損金算入可能(要件あり)。

C. 留保金課税:内部留保への追加課税

「留保金課税」とは、特定の同族会社が一定額以上の利益を会社内部に留保した場合に、その留保した利益に対して通常の法人税とは別に追加で課される税金です。多くの小規模なオーナー企業は対象となる可能性があります。

4. freee会計が法人税申告をラクにする理由

freee会計とその関連サービスを活用することで、法人税申告の負担を大幅に軽減できます。

freee会計:正確な税務申告の「土台作り」

記帳の自動化と効率化、決算書のカンタン作成機能が、日々の会計処理の正確性を高めます。

freee申告とのシームレスな連携:手間とミスを削減

freee会計の決算データはfreee申告に自動で連携され、転記ミスや作業時間を大幅に削減。申告書類の作成から電子申告まで一気通貫で行えます。

5. 見逃せない!あなたの会社も使えるかもしれない税額控除

法人税の計算において、課税所得に税率を乗じて算出された税額から「直接」差し引くことができるのが「税額控除」です。これは節税効果が非常に高いため、適用できるものがないか必ず確認したい項目です。

中小企業が活用できる代表的な税額控除として、従業員の給与を引き上げた場合に適用できる「賃上げ促進税制」や、特定の設備投資を行った際に利用できる「中小企業投資促進税制」などがあります。

これらの制度は、適用要件が複雑な場合もありますが、うまく活用することで大きな節税効果が期待できます。各制度の詳しい要件や手続きについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

まとめ:自信を持って法人税申告に臨むために

この記事では、法人税の基本的な計算方法から、小規模な同族会社が特に注意すべき税務ポイント、そしてfreee会計を活用した効率的な申告プロセス、さらには節税に繋がる税額控除制度について解説してきました。

法人税の計算ステップ、特に役員報酬、交際費、留保金課税のルールを理解し、計画的に対応することが重要です。freee会計とfreee申告を活用すれば、このプロセスを大幅に効率化できます。

しかし、個別の状況に応じた最適な判断や、複雑な税務処理については、やはり税理士などの専門家のアドバイスが不可欠です。正しい知識と適切なツール、そして信頼できる専門家のサポートを得て、自信を持って法人税申告に臨みましょう。

免責事項

本記事に掲載されている情報は、記事作成時点(2025年6月)の法令や情報に基づいております。情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容の完全性、正確性、最新性を保証するものではありません。税法、会計基準、および関連する各種制度は頻繁に改正される可能性があります。最新の情報や詳細な適用要件については、必ず国税庁や中小企業庁などの公的機関が発表する一次情報をご確認ください。本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の個人や法人に対する税務上または法律上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な税務申告や会計処理、経営上の意思決定にあたっては、必ずお客様ご自身の状況に合わせて、税理士等の専門家にご相談ください。本記事の情報を利用したことにより、万一何らかの損害が生じた場合においても、当事務所は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

監修者およびお問い合わせ先

この記事は、freee認定アドバイザー5つ星のはてなベース税理士事務所が監修しています。

はてなベース税理士事務所は、中小企業の皆様の経理業務効率化と適切な節税対策をサポートすることに力を入れています。特にfreee会計を活用したバックオフィスのDX推進を得意としており、お客様の状況に合わせた最適なご提案を心がけています。

法人税の計算やfreee会計の活用方法、その他税務に関するお悩みや、より詳しいサポートが必要な場合は、ぜひ「はてなベース税理士事務所」までお気軽にお問い合わせください。初回のご相談は無料にて承っております。

無料相談はこちらから