「ペーパーレス化を進めたいが、どこから手を付ければいいかわからない」「いきなり全業務をデジタル化するのは現場の反発が怖い」

DX推進の掛け声とともにペーパーレス化に取り組む企業が増えていますが、一度にすべてを変えようとして失敗するケースが後を絶ちません。成功の鍵は、「小さく始めて、確実に効果を出すこと」にあります。

本記事では、ペーパーレス化の第一歩として最も推奨される「経費精算」に焦点を当て、kintoneとfreeeを活用した具体的な導入ステップと成功のポイントを解説します。

「全社一斉ペーパーレス」が失敗する理由

多くの企業が陥りがちなのが、稟議書、契約書、請求書など、あらゆる紙業務を同時にデジタル化しようとするパターンです。

一斉導入のリスク

  • 現場の混乱: 操作方法を覚える負担が一気に増え、通常業務が滞る。
  • システム連携の複雑化: 複数の業務フローが絡み合い、要件定義が長期化する。
  • 費用対効果の曖昧さ: 投資額が大きくなりすぎ、効果測定が難しくなる。

なぜ「経費精算」が最初のステップに最適なのか?

ペーパーレス化の第一歩として「経費精算」をおすすめするのには、明確な理由があります。

  • 全社員が関わる: 営業、事務、経営層まで全員が利用するため、DXの効果を社内全体で実感しやすい。
  • スマホとの相性が良い: 「移動中にスマホで申請」というメリットがわかりやすく、現場の協力が得やすい。
  • 法対応の必須項目: 電子帳簿保存法への対応が必要な分野であり、投資の正当性が高い。

kintone×freee連携で実現する「紙ゼロ」フロー

経費精算のペーパーレス化には、「入力・承認(kintone)」「会計処理(freee)」を連携させる構成が最強です。

Before(従来の紙フロー)

領収書を台紙に糊付け → Excelで申請書作成 → 上長がハンコ承認 → 経理が会計ソフトへ手入力

After(kintone×freee連携)

スマホで領収書撮影(kintone) → 上長がスマホで承認 → 承認データがfreeeへ自動連携(仕訳作成)

工程 kintoneの役割 freeeの役割
申請 スマホで領収書画像アップロード
交通費・経費の入力
承認 ワークフロー機能で承認
差し戻しやコメント機能
経理処理 承認データの保管(電帳法対応) 仕訳の自動登録
FBデータの作成(振込)

具体的な導入ステップと削減効果

従業員50名規模の企業での導入シミュレーションです。

📉 導入効果の試算(月間)

  • 申請者の作業時間:50時間 → 10時間(スマホ入力で隙間活用)
  • 経理の入力時間:20時間 → 0時間(自動連携)
  • 年間換算:約250万円相当の工数削減 + 領収書保管コストゼロ

導入の3ステップ

  • 現状把握とルール見直し

    「領収書の原本提出は必要か?(電帳法対応なら不要)」「承認ルートは適切か?」など、紙を前提としたルールを見直します。

  • kintoneアプリ作成とテスト

    「経費精算アプリ」を作成し、一部の部署(営業部など)で1ヶ月ほどテスト運用します。

  • 全社展開とマニュアル化

    テスト結果をもとにアプリを修正し、スマホでの撮影方法などをマニュアル化して全社に展開します。

運用のリアル:現場の抵抗をどう乗り越えるか

新しいシステムを入れると、必ず「前のやり方の方が良かった」という声が上がります。

  • メリットを強調する: 「帰社してPCを開く必要がなくなる」「承認が早くなり振込が早まる」など、現場にとっての利益を伝えます。
  • サポート体制を作る: 導入直後は質問専用のチャットグループを作るなど、手厚いフォローを行います。
  • トップダウンで進める: 経営層から「これからはデジタルで行く」という強いメッセージを発信してもらいます。

よくある質問(FAQ)

Q. 領収書の原本は捨てていいのですか?

A. 電子帳簿保存法の要件を満たせば廃棄可能です。
ただし、スキャナ保存の要件(解像度、タイムスタンプ等)を満たす必要があります。kintoneやfreeeにはこれらの要件をクリアする機能や連携プラグインがあります。

Q. kintoneだけで会計処理までできませんか?

A. kintoneは会計ソフトではありません。
kintoneはあくまで「データベース」であり、複式簿記や決算書の作成機能はありません。餅は餅屋で、会計処理はfreeeなどの専用ソフトに任せるのが正解です。

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「まずは経費精算からペーパーレス化したい」「kintoneとfreeeをつなぎたい」という企業様へ。要件整理からアプリ設計、連携設定まで定額でサポートします。

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まとめと定額支援のご案内

ペーパーレス化は一日にして成らず。まずは「経費精算」という身近な業務から成功体験を作り、徐々に他の業務へ広げていくのが王道です。

kintoneとfreeeの連携は、低コストで導入でき、効果が目に見えやすい最強の組み合わせです。

はてなベース株式会社では、ペーパーレス化の第一歩を踏み出す企業様を全力でサポートします。「自社の経費規定に合わせたアプリが作れるか?」「freeeとの連携設定だけ頼みたい」といったご相談も大歓迎です。

まずは無料相談で、現状の課題をお聞かせください。最適なステップをご提案いたします。

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