【図解】商蔵奉行とEC・SFA連携の教科書|API連携の仕組みと在庫連動のポイント
目次
「ECサイトからの注文データが増えて、商奉行への手入力が追いつかない」
「Salesforceで見積を作っているが、売上計上のために商蔵奉行へ二重入力している」
「実在庫とシステム在庫がズレており、売り越し(欠品)が怖い」
商奉行(販売管理)と蔵奉行(仕入・在庫管理)は強力な基幹システムですが、ECサイトやSFA(営業支援システム)と切り離されていると、転記作業や在庫のタイムラグといった課題が発生します。
この記事では、商蔵奉行を中心としたシステム連携の全体像と、具体的なデータフロー、失敗しないための導入手順を実務視点で解説します。
この記事の結論:
連携の鍵は「在庫(蔵奉行)」と「売上(商奉行)」の同期タイミングです。API連携やミドルウェアを活用することで、リアルタイムな在庫連動と自動仕訳を実現できます。
商蔵奉行の連携で解決する「3つの壁」
外部システムと連携していない場合、現場では以下の3つの問題が発生します。
1. 受注入力の「時間の壁」
ECサイトで1日100件の注文があった場合、手入力だと約3〜4時間かかります。連携すればこれが「0分」になります。
2. 在庫更新の「タイムラグの壁」
ECで売れた商品が蔵奉行から引かれるまでにタイムラグがあると、電話注文を受けた際に「在庫あり」と誤答してしまい、トラブルになります。
3. マスタ管理の「二重管理の壁」
SFAと商奉行でそれぞれ得意先マスタや商品マスタを管理していると、請求書の宛名間違いや単価ミスの原因になります。
連携パターン比較(CSV・API・ミドルウェア)
商蔵奉行と外部システムをつなぐ方法は大きく3つあります。予算と頻度に合わせて選びましょう。
| 連携手法 | 仕組み | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| CSV連携 (手動/半自動) |
外部システムからCSVを出し、奉行の「汎用データ受入」で取り込む | ・コストが安い ・奉行の標準機能で可能 |
・手作業が残る ・リアルタイムではない |
| API連携 (奉行クラウドAPI) |
プログラムを組み、直接データを書き込む | ・完全リアルタイム ・ボタン一つで連携可 |
・開発コストが高い ・奉行クラウド契約が必要 |
| ミドルウェア連携 (EAIツール) |
連携ツール(ASTERIA, Anyflow等)を介してつなぐ | ・ノーコードで開発が早い ・複数システムと連携容易 |
・ツールの月額費用が発生 (月3〜10万円程度) |
【ケース1】ECサイトとの在庫・受注連携フロー
ECサイト(Shopify, 楽天, Amazonなど)と商蔵奉行をつなぐ場合の標準的なフローです。
EC連携のデータフロー図解
【連携の流れ】
1. [ECサイト] 注文発生
↓ (API/CSV)
2. [連携システム] データを変換
※ECの「注文番号」を奉行の「受注伝票No」に変換
↓
3. [商奉行] 受注伝票を自動作成
↓
4. [蔵奉行] 出荷指示・引当処理
※実在庫が減少
↓
5. [連携システム] 最新の「有効在庫数」を取得
↓
6. [ECサイト] 在庫数を更新(売り越し防止)
ポイント:
最も重要なのは「在庫連動」です。商蔵奉行側の在庫が変動したタイミング(出荷確定時など)で、速やかにECサイト側の在庫数を上書きする必要があります。
【ケース2】SFA(Salesforce等)との売上連携フロー
営業担当が使うSFAと、経理が使う商奉行の連携です。
SFA連携のデータフロー図解
【連携の流れ】
1. [SFA] 商談フェーズが「受注」になる
↓
2. [連携システム] SFAの「取引先」と奉行の「得意先」をマッチング
※コードがなければエラー通知
↓
3. [商奉行] 売上伝票(または受注伝票)を自動作成
↓
4. [商奉行] 請求書発行・入金消込
↓
5. [連携システム] 入金ステータスをSFAに返す
↓
6. [SFA] 営業担当が入金済みを確認できる
ポイント:
単に売上データを送るだけでなく、「請求・入金情報」をSFAに戻すことで、営業担当が未回収リスクを把握できるようになります。
実務で失敗しないための重要ポイント
システム連携でよくあるトラブルと、その対策を紹介します。
-
マスタコードの不一致
外部システムと奉行で「商品コード」や「取引先コード」が異なると連携できません。事前にコードを統一するか、連携ツール側で変換テーブル(対応表)を持たせる必要があります。
-
消費税の計算ロジック
ECサイトは「明細ごとに消費税計算」しているが、商奉行は「伝票計」になっている場合、1円単位のズレが生じます。EC側の設定を奉行に合わせるか、連携時に差額調整を入れる設計が必要です。
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セット商品の扱い
ECで「お中元セット」が売れた場合、商蔵奉行側では「ビール×2、ジュース×2」として在庫を引き落とす必要があります。この「構成品展開(BOM)」処理をどこで行うか決めておく必要があります。
よくある質問(FAQ)
オンプレミス版(奉行iシリーズ)でも連携できますか?
はい、可能です。ただし、クラウド版(奉行クラウド)のようにAPIが開放されていないケースが多いため、CSV連携が中心になるか、VPN経由でデータベースに接続するなどの工夫が必要です。
スマレジなどのPOSレジとも連携できますか?
可能です。POSレジの「Zレポート(日次締め)」データを商奉行の売上伝票として連携するのが一般的です。
開発期間はどれくらいですか?
CSV連携の自動化(ツール導入)であれば1ヶ月〜、APIを使用した本格的なリアルタイム連携であれば2ヶ月〜3ヶ月程度が目安です。
まとめ:自動化で「攻めの経理」へ
商蔵奉行と外部システムの連携は、単なる「入力作業の削減」にとどまりません。在庫の見える化による機会損失の防止や、営業データと会計データの一致による迅速な経営判断が可能になります。
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