生産性自動化:SlackとNotionをAI活用ワークフローで連携させる - はてなベース株式会社

生産性自動化:
SlackとNotionをAI活用ワークフローで連携させる

2025年6月8日 AI活用 業務効率化 Slack Notion AI

10. 生産性自動化:SlackとNotionをAI活用ワークフローで連携させる

10.1. はじめに:サイロ化したツールを超えて – 連携ワークフローの力

多くの企業では、コミュニケーションにはSlack、情報管理やプロジェクト追跡にはNotionといったように、それぞれの得意分野に特化した「ベスト・オブ・ブリード」なツールを組み合わせて利用しています。これらのツールは単体でも非常に強力ですが、それぞれが独立して(サイロ化して)使われている場合、情報が分断され、手作業でのデータ転記や二重入力といった非効率が生じがちです。

このような課題を解決し、生産性を飛躍的に向上させるのが、これらのツール間を連携させ、自動化されたワークフローを構築するというアプローチです。特に、SlackやNotion自体に搭載されたAI機能や、Zapierのようなサードパーティ製の連携プラットフォームを活用することで、手作業を大幅に削減し、時間と労力を節約する高度な自動化が実現可能になります。真の生産性向上は、個々のAIツールを使いこなすだけでなく、これらを連携させ、複数のアプリケーションを横断する一連の業務プロセスを自動化することによってもたらされることが多いのです。

10.2. なぜSlackとNotionを連携させるのか? 主なメリット

SlackとNotionを連携させることには、以下のような多くのメリットがあります。

  • 情報の一元化:Slackでの重要な会話や決定事項を、自動的にNotionのデータベースに保存・蓄積できます。これにより、Slackの流動的な情報の中から価値あるものを抽出し、Notionという永続的な知識ベースに集約できます。
  • リアルタイム通知:Notionのページ更新やタスクの割り当てといった変更を、Slackにリアルタイムで通知できます。これにより、チームメンバーは常に最新情報を把握でき、Notionを頻繁に確認しに行く手間が省けます。
  • ワークフローの効率化:SlackとNotion間での手作業によるデータのコピー&ペーストを自動化し、作業時間を大幅に削減します。
  • コンテキストの保持:Slackでの議論と、それに関連するNotionのドキュメントやタスクを紐付けて保存することで、情報の文脈が失われるのを防ぎます。

Slackは即時性の高いコミュニケーションに、Notionは体系的な情報管理に適していますが、これらを連携させることで、両者の長所を活かしつつ、情報の断絶を防ぎ、より一貫性のある効率的な業務遂行が可能になります。

10.3. SlackとNotionを連携させる方法

SlackとNotionを連携させるには、いくつかの方法があり、技術的なスキルレベルや自動化したい内容の複雑さに応じて選択できます。

  • ネイティブ連携機能:NotionとSlackは、それぞれ公式に連携機能を提供しています。Notion側では、ワークスペース設定からSlackとの連携を有効化し、特定のデータベースやページへの更新をSlackチャンネルに通知する設定が可能です。Slack側では、Notionアプリをインストールすることで、Slack内からNotionのコンテンツを検索したり、SlackメッセージをNotionに送信したりといった操作が容易になります。
  • Slackワークフロービルダー:Slackに標準搭載されているワークフロービルダーを利用することで、プログラミング知識なしに、比較的簡単な自動化を構築できます。例えば、特定の絵文字リアクションをトリガーとして、そのSlackメッセージをNotionのデータベースに保存するといったワークフローが作成可能です。
  • サードパーティ製自動化プラットフォーム(例:Zapier、Yoom):より複雑な条件分岐や複数ステップにわたる高度なワークフローを構築したい場合は、ZapierやYoomといった外部の自動化サービスが強力な選択肢となります。

これらの選択肢があることで、ユーザーはまず手軽なネイティブ連携から始め、必要に応じてより高度な自動化ツールへとステップアップしていくことができます。

10.4. 実用的な自動化シナリオとステップバイステップガイド

SlackとNotionを連携させることで、具体的にどのような業務を自動化できるのか、いくつかの実践的なシナリオと、そのAIによる強化アイデアを見ていきましょう。

シナリオ1:重要なSlackメッセージ/スレッドをNotionデータベースに保存する

ユースケース:会議での決定事項、顧客からの重要なフィードバック、後で参照したい有益な議論などを、SlackからNotionの専用データベースにアーカイブする。

AIによる強化:Slack AIがスレッドを要約した結果をNotionに送信する。あるいは、Notionに保存されたメッセージ内容を、Notion AIがデータベースの「サマリー」プロパティに自動で要約する。

シナリオ2:SlackメッセージからNotionタスクを作成する

ユースケース:Slackでの依頼事項や会話中に出てきたアクションアイテムを、迅速にNotionのタスク管理ボードに登録し、進捗を追跡可能にする。

AIによる強化:Notion AIが、Slackメッセージの内容に基づいてタスクの詳細説明文を自動生成する。

シナリオ3:Notionのページ更新や新規タスクをSlackチャンネルに通知する

ユースケース:Notionでの作業進捗(例:ドキュメントの更新、新規タスクの追加・完了)を、関連するチームメンバーにSlackを通じてリアルタイムで共有し、常に最新情報を周知する。

AIによる強化:Notionの更新内容が長文の場合、AIがその要約を生成し、Slack通知に含める。

シナリオ4:会議ワークフローの自動化(Notion、Slack、カレンダー連携)

ユースケース:会議のスケジュール調整、アジェンダ配布、リマインダー送信、議事録作成、アクションアイテムのフォローアップといった一連の会議プロセスを効率化する。

AIによる強化:Notion AIが会議のメモや録音(別途文字起こしが必要)から議事録の草案や要約を作成する。Slack AIが会議前の関連チャンネルでの議論を要約し、アジェンダ作成の参考情報として提供する。

これらの具体的なシナリオと手順例は、自動化の概念をより身近なものとし、ユーザーが自身の業務にどのように応用できるかを考えるきっかけとなるでしょう。

Slack-Notion 自動化レシピ

自動化の目的 トリガー(例) アクション(例) 必要なツール AIによる強化アイデア
Slackの重要な決定事項をNotionにアーカイブ Slackメッセージに特定の絵文字リアクション(例::archive:) Notionの「決定事項DB」に新規アイテム作成。メッセージ内容、発言者、日時、Slackリンクを記録。 Slackワークフロービルダー、Notionネイティブ連携 Notion AIがアーカイブされたメッセージを要約し、「概要」プロパティに自動入力。
Slackの依頼をNotionタスクとして登録 Slackメッセージに特定の絵文字リアクション(例::task:) Notionの「タスクDB」に新規アイテム作成。メッセージをタスク名に、担当者・期限を可能なら設定。 Zapier、Slackワークフロービルダー Notion AIがSlackメッセージからタスクの詳細説明文を自動生成。
Notionのプロジェクト更新をSlackチームに通知 Notionの「プロジェクトDB」でアイテムが更新された時 指定Slackチャンネルに更新内容(変更点、現在のステータスなど)を通知。 Notionネイティブ連携、Yoom、Zapier 更新内容が長文の場合、AIが要約してSlack通知に含める。
新規顧客リード情報をSlackからNotionに登録・通知 Slackの特定チャンネルに新規リード情報が投稿された時 Notionの「顧客DB」に新規アイテム作成。リード情報を各プロパティにマッピング。担当営業にSlackでDM通知。 Zapier、Make (Integromat) Notion AIがリード情報から企業概要を自動検索し、関連プロパティに追記。
会議のアジェンダをSlackで事前共有 Google Calendarで会議が作成された時(Notion連携済) Notionで自動作成されたアジェンダページのリンクを、会議参加者が含まれるSlackチャンネルまたはDMグループに、会議の24時間前に自動投稿。 Zapier、Notionカレンダー連携、Slack Notion AIがアジェンダ項目に基づき、関連する過去の議事録や資料へのリンクを提案し、Slack通知に含める。

10.5. 効果的な自動化を設計・維持するためのヒント

自動化ワークフローは一度設定すれば終わりではなく、その効果を持続させるためにはいくつかの重要なポイントがあります。

  • 小さく始めて反復する:最初から複雑な自動化を目指すのではなく、まずは一つの簡単なプロセスから自動化を試し、徐々に改善・拡張していくのが良いでしょう。
  • トリガーとアクションを明確に定義する:何が起きたら(トリガー)、何を実行するのか(アクション)を曖昧さなく定義することが、意図した通りに自動化を機能させるための基本です。
  • 徹底的にテストする:実際に運用を開始する前に、様々なケースを想定して十分にテストを行い、予期せぬ動作やエラーがないかを確認しましょう。
  • チームに周知する:新しい自動化を導入する際は、関係するチームメンバーにその目的や動作を説明し、混乱を避けるようにしましょう。
  • 定期的に見直し・更新する:使用しているツールがアップデートされたり、業務プロセス自体が変更されたりした場合、自動化ワークフローもそれに合わせて見直し、必要であれば修正・更新する必要があります。
  • エラー処理や無限ループの可能性を考慮する:特に複雑な連携では、予期せぬエラーや、処理が無限に繰り返されるループが発生する可能性も考慮し、可能であればそれを防ぐ仕組みや通知機能を組み込むことが望ましいです。

自動化は「設定したら放置」できる魔法の杖ではありません。思慮深い設計、十分なテスト、そして継続的なメンテナンスが、その効果を最大限に引き出し、長期的に維持するための鍵となります。

10.6. 未来展望:よりインテリジェントで統合されたワークフローへ

SlackとNotionの連携、そしてそれらを支えるAI技術は、今後ますます高度化し、より直感的でインテリジェントなものになっていくと予想されます。

現在は主にルールベースで設定される自動化ワークフローも、将来的にはAIがユーザーの行動パターンやチームの作業スタイルを学習し、最適なワークフローをプロアクティブに提案したり、場合によっては自動で構築・調整したりするようになるかもしれません。例えば、AIエージェントがチームのコミュニケーションとドキュメント作成の傾向を分析し、「このような情報連携を自動化しませんか?」と提案してくる、といった未来も考えられます。これにより、AIは単に定義されたルールを実行するだけでなく、業務プロセスそのものの最適化や適応を支援する、より能動的な役割を担うようになるでしょう。

10.7. まとめ:あなた自身の自動化された生産性エンジンを構築する

SlackとNotionのような強力なツールを連携させ、AIを活用した自動化ワークフローを構築することは、日々の業務における手作業を大幅に削減し、時間という貴重なリソースを創出するための非常に効果的な手段です。

本稿で紹介したシナリオやヒントを参考に、まずは自身の業務の中で、ツール間をまたいで手作業で行っている定型的な作業や情報伝達のプロセスを見つけ出し、それらを自動化することを検討してみてはいかがでしょうか。小さな自動化の積み重ねが、やがて大きな生産性の向上と、より創造的で価値の高い業務への集中を可能にする「自動化された生産性エンジン」の構築へと繋がるはずです。

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