【極み/第二回】kintone徹底解説:データが経営を変える「可視化の極意」
【極み/第二回】kintone徹底解説:データが経営を変える「可視化の極意」
溜まったデータを「武器」に変え、勘に頼らない意思決定を実現する
著者:kintoneエバンジェリスト / DXコンサルタント
延べ50社以上のkintone導入・運用支援に携わり、特に会計ソフト「freee」との高度な連携による業務自動化を専門とする。第一回では「入力」の効率化を説いたが、第二回ではそのデータが生み出す「経営判断の価値」を深掘りする。
前回の第一回では、顧客管理から請求までの「正しい水路(データ基盤)」を引く方法を解説しました。
しかし、基盤を整えることはあくまでスタート地点です。真の価値は、そこに蓄積されたデータをどう料理し、次の打ち手に繋げるかという「分析」にあります。
「今の利益は適正か?」「リソースは正しく配分されているか?」
今回は、kintoneとfreeeのデータを統合することで見える化できる、5つの重要指標を具体的にご紹介します。
売上・コスト・利益の三位一体可視化
経営者が最も早く、正確に把握すべきは「全体の収益構造」です。freeeの確定データとkintoneの進行中データを組み合わせることで、精度の高い着地予想が可能になります。

売上高だけでなく、原価(コスト)を引き算した「実質利益」をリアルタイムで追跡。月次決算を待たずして、今月・来月の利益着地を予測し、攻めの投資やコスト削減の判断を即座に行えます。
営業ファネルと案件別収益の分析
「売上が伸びない」原因はどこにあるのか?営業活動のプロセスを数値化することで、ボトルネックを特定します。

受注に至るまでの各フェーズ(引き合い→提案→見積→契約)の遷移率を可視化。案件ごとの売上貢献度をランキング形式で表示することで、注力すべき優良案件や、改善が必要な商談ステップを一目で把握できます。
人員管理:工数超過の早期発見
見えないコスト、つまり「人件費」が利益を食い潰していないかをチェックします。kintoneで入力した工数データがここで真価を発揮します。

特定のスタッフや案件に負荷が集中していないか、予定工数に対して実績が大幅に超過していないかを監視。赤字転落の予兆をいち早く察知し、人員の再配置や進行方法の見直しといった「先手」を打つことができます。
広告投資対効果(ROAS/ROI)の可視化
「広告を出しているが、どの媒体が最終的な利益に繋がっているか分からない」。このマーケティングの永遠の課題を、成約データとの紐付けで解決します。

流入経路別の成約率だけでなく、顧客生涯価値(LTV)まで算出。どの広告キャンペーンに予算を寄せるべきか、データに基づいたマーケティング戦略の策定が可能になります。
勘定科目・部門別の資金使途分析
freeeの会計データをkintoneへ吸い上げ、財務の健全性を多角的に分析します。

部門別の予算消化率や、勘定科目別の増減推移をグラフ化。固定費の肥大化や、不要な経費の発生を可視化することで、組織全体にコスト意識を浸透させ、筋肉質な経営体質を構築します。
まとめ:データの「意味」を読み解く
第二回で解説したのは、第一回で整備した「情報の水路」が最終的にたどり着く「ダム」の活用法です。
- 全体の収支: 全社・部門別の「真の利益」を把握。
- 現場の改善: 営業ファネルや工数超過から問題点を特定。
- 戦略の投資: 広告効果や資金使途から次の打ち手を決定。
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