はじめに
Salesforceのフローは強力ですが、最初の一歩でつまずきやすい機能でもあります。
- どのフローを選べばいいかわからない
- 条件設定で毎回つまずく
- 着手のハードルが高い
多くの会社で起きがちな悩み
問い合わせ対応(Case)を運用していると、こうした悩みはありませんか?
- 説明文や対応履歴が長く、引き継ぎに時間がかかる
- 上長への共有やエスカレーションのたびに、要約を手作業で書いている
- 担当者によって記載の粒度がばらつき、重要情報が埋もれる
- 一次回答のスピードを上げたいが、状況整理に時間を取られる
そこで今回は、Agentforce(Einsteinの生成AI)を使って、自然文からフローのたたき台を作れるかを試してみました。
実際に入力した文章と、生成されたフローの構成、運用の観点で「助かる点」「確認が必要な点」を、画面キャプチャ付きで紹介します。
今回やりたかったこと(Case要約の自動化)
やりたいことは、Case(ケース)が作成・更新されたときに、次の処理を自動で行うだけです。
- 件名と説明文を要約する
- Caseの「AI要約」項目に保存する
レコード更新と、生成AIによるテキスト生成を組み合わせた、よくある要件です。
ポイント
- カスタムオブジェクトなし
- Apexなし
- クリックと日本語の指示だけで、たたき台まで作る
Agentforceでフローを作る入口はここ
「新規自動化」画面
Salesforceで「新規自動化」を開くと、画面上部に次の表示が出てきます。
Let Einstein Help You Build
ここが、生成AIでフローの下書きを作る入口です。
なお、表示や文言は組織の設定や画面の言語によって変わることがあります。
「新規自動化」画面の上部に表示される「Let Einstein Help You Build」
日本語でそのままお願いしてみる
次の画面では、「何を自動化したいか」を文章で入力できます。
実際に入力した文章(ほぼ原文)がこちらです。
Caseを使ったフローを作りたいです。
Caseが新しく作成された、または更新されたときに動くフローにしてください。処理はレコード保存後(After Save)で実行してください。
Caseの説明に文章が入っていて、まだ「AI要約」項目が空の場合だけ実行したいです。
Caseの件名と説明をもとに内容を要約して、生成した要約文を「AI要約」項目に保存してください。
日本語で指示文を入力した画面
「Draft with Einstein」を押すだけ
右下の「Draft with Einstein」を押すと、数秒でフローの下書きが生成されます。
生成(読み込み)中の画面
本当にフローが自動生成された
生成されたフローがこちらです。
Flow Builderで生成されたフロー(全体)
中身を見ると、概ね次の要素がそろっています。
- レコードトリガーフロー(Case)
- 作成または更新時に実行
- 「AI要約」が空のときだけ実行する条件
- 要約文を生成してCaseを更新
フロー初心者がゼロから組むと迷いやすい部分まで、まず形にしてくれるのがポイントです。
使って感じた良かった点
① フローの種類を間違えない
初心者がまず迷う「レコードトリガー? 画面フロー?」の選択を、意図に合わせて適切に選んでくれます。
② 無限ループ対策まで考慮されている
「AI要約が空のときだけ実行」という条件が最初から入っているのは、実務上とても有用です。
この条件がないと、更新でフローが発火し、更新がさらに更新を呼んでループする、といったトラブルが起きがちです。
③ 日本語UI × 日本語指示で完結
- 英語プロンプト不要
- Salesforce用語を完璧に知らなくても問題ない
「レコードトリガーフロー」という正式名称を知らなくても、「Caseが作成・更新されたときに動くフロー」と書けば意図が伝わります。
一方で、項目名や条件は環境によって違うので、生成後は必ず自分の目で確認してから有効化しましょう。
Agentforceが「最初の壁」を低くする
これまでのフロー作成は、画面の選択肢を理解してから手を動かす必要がありました。
一方でAgentforceを使うと、概ね次の流れになります。
- やりたいことを日本語で書く
- たたき台をAIが作る
- 人が微調整する
「最初の形」を先に出してくれるので、あとはフローの画面を見ながら調整すればよくなります。
ポイント
白紙から組み立てなくていいことです。AIのたたき台を起点に「条件を追加する」「分岐を増やす」「対象項目を変える」といった調整に集中できます。
まとめ
- 自然文からSalesforceフローのたたき台を生成できる
- Caseを使った「要約して項目に保存」のような実務寄りの自動化も形にできる
- とくにフローに苦手意識がある人ほど、最初の一歩が軽くなる
「フローは難しい」と感じていた人ほど、一度Draft with Einsteinで下書きを作り、生成物を読み解くところから始めると感触がつかめます。
おわりに
今回は「Caseの要約」というシンプルな例でしたが、同じ要領で次のような自動化にも応用できます。
- 問い合わせ分類
- 優先度自動設定
- Slack通知
- 承認フロー補助
ただし、生成されたフローは「そのまま本番投入」ではなく、条件や更新対象、例外処理などを必ず確認してください。
とはいえ、やりたいことを日本語で書くだけでたたき台が出てくるのは大きな前進です。小さな自動化から試し、生成物の確認ポイントを押さえていく進め方が有効です。
Salesforceの学習を進めたい方は、Salesforce認定資格の取得もあわせて検討してみてください。





