2025.12.31

生産・在庫・会計データがバラバラで分析困難…。製造業D社はいかにして統合BI基盤を構築し、迅速な経営判断を手に入れたのか?

実績サムネイル

製造業で製品開発・生産を手がけるD社様は、生産管理、在庫管理、購買管理など多岐にわたる事業データと会計データが分断され、統合分析が困難な状況に直面していました。特に、月次・年次レポートの作成に時間を要し、リアルタイムな経営状況の把握ができないことが課題となっていました。

今回は、データ統合とレポート自動化により、経営状況をリアルタイムで把握できる統合BI基盤の構築事例について、D社様にお話を伺いました。

ご紹介

D社様

製造業で製品開発・生産を手がける。生産管理、在庫管理、購買管理など多岐にわたる事業データと会計データの統合分析と経営の可視化を推進。

【課題】導入前の悩み:データ分断とレポート作成に忙殺される日々

製造業特有の多様なデータと会計データの分断

D社様では、製造業特有の多様な事業データと会計データが分断されており、多くの課題を抱えていました。

「導入前は、生産管理、在庫管理、購買管理、案件管理など、製造業の業務に必要なデータは主にスプレッドシートで管理しており、会計データはfreeeで管理していました。しかし、データが分散していて統合分析ができませんでした。月次・年次レポートを作成するのに、複数のシステムやファイルからデータを集めて、手作業で統合する必要があり、本当に時間がかかっていました」と、当時の状況を振り返ります。

具体的な課題は以下の通りでした:

  • データの分断: 生産管理、在庫管理、購買管理などの事業データと会計データが分断され、統合分析が困難
  • レポート作成の手間: 月次・年次レポートの作成に時間を要し、本来の製造業務に集中できない
  • リアルタイム性の欠如: リアルタイムな経営状況の把握ができず、生産計画や在庫管理の意思決定が遅れる
  • データ品質の課題: データの品質と整合性に課題があり、分析精度に影響を与える
  • 手作業による統合: 複数のシステムからデータを集めて、手作業で統合する必要がある
  • データの不整合: 各システムの更新タイミングが異なるため、データの整合性が保てない
  • 原価管理の困難: 製造原価と会計データの連携ができず、正確な原価分析が困難

「月次決算のたびに、複数のシステムからデータを集めて、手作業で統合していました。これだけで本当に時間がかかり、経営判断も遅れていました」と、当時の苦労を語ります。

経営判断の遅延

さらに、以下のような課題も発生していました:

  • 意思決定の遅れ: データの集計に時間がかかるため、迅速な経営判断や生産計画の調整ができない
  • KPIの可視化不足: 生産効率、在庫回転率、原価率など重要な経営指標が各システムに分散しており、統合的な分析が困難
  • リアルタイム分析の困難: リアルタイムで経営状況を把握することができず、機会損失が発生
  • 在庫最適化の困難: 在庫状況と会計データの連携ができず、適正在庫の判断が困難

「経営判断に必要なデータがすぐに揃わず、意思決定が遅れていました。でも、データが分散していて、統合分析ができない状況でした」と、経営判断の遅延の課題を説明します。

【転機】なぜ統合BI基盤を選んだのか?

データ統合とリアルタイム可視化が決め手

多くのツールを検討する中で、kintoneと統合BI基盤を選んだ理由について、以下のように説明します。

「まず、製造業の業務データを一元管理できるkintoneの導入と、kintoneとfreeeのデータを統合して、リアルタイムで分析できる点が魅力的でした。Looker Studioによるダッシュボードがあることで、経営状況をすぐに把握できるようになると考えました」

さらに、製造業特有のデータ構造に対応できる点も重要な決め手となりました。

「kintoneで製造業の業務データを一元管理できるようになり、さらに生産管理、在庫管理、購買管理など、製造業特有のデータ構造を理解して、適切に統合できる点が魅力的でした。また、はてなベースさんの担当者が、製造業特有のプロセス(BOM管理、生産計画、在庫最適化、原価管理など)への理解が深く、単なるシステム開発だけでなく、製造業の業界知見も持っていることが分かりました。私たちの製造業務をしっかり理解して、kintoneの導入から統合BI基盤の構築まで、最適なソリューションを提案してくださったことも大きな安心材料でした」

導入に対する不安については、「最初は本当にうまくいくのか不安でした。でも、導入計画を一緒に立てていただき、まずはkintoneで業務データの一元管理から始め、その後データ統合、レポート自動化、ダッシュボードの構築と順次機能を追加していく方針で進められたので安心できました」と、導入プロセスへの信頼を語ります。

レポート自動化

「月次・年次レポートの自動生成機能があることで、レポート作成時間を大幅に削減できる点も魅力的でした。手作業による統合作業が不要になり、本当に助かると考えました」と、レポート自動化の価値を強調します。

【効果】導入後の劇的ビフォーアフター

データ統合とレポート自動化を実現

統合BI基盤の導入により、劇的な変化が生まれました。

定量的効果

  • データ統合: 事業データと会計データの統合分析が可能に
  • レポート自動化: 月次・年次レポートの作成時間を大幅短縮
  • リアルタイム分析: 経営状況の即座な把握が可能に
  • データ品質向上: 統合基盤によるデータの整合性確保

「以前は、月次決算のたびに複数のシステムからデータを集めて、手作業で統合していましたが、今は自動化されました。レポート作成時間が大幅に短縮でき、本当に楽になりました」と、業務効率化の実感を語ります。

定性的効果

  • kintoneによる業務データの一元管理: 生産管理、在庫管理、購買管理などの製造業の業務データをkintoneで一元管理し、データの散在を解消
  • データ統合基盤の構築: kintoneとfreeeのデータを統合し、生産管理、在庫管理、購買管理などの事業データと会計データの統合分析を実現
  • 製造業データの可視化: 生産効率、在庫回転率、原価率など製造業特有のKPIを可視化
  • リアルタイム可視化: Looker Studioによるダッシュボードにより、経営状況をリアルタイムで把握
  • 経営レポートの自動生成: 月次・年次レポートの自動生成により、レポート作成時間を大幅短縮
  • 原価管理の改善: 製造原価と会計データの連携により、正確な原価分析が可能に

構築した主要機能の詳細

D社様では、製造業の業務フロー全体をカバーする包括的なシステムを構築しました。主な機能は以下の通りです。

営業・顧客管理機能
  • 案件管理アプリ: 案件の進捗管理、確度管理、見積・契約・納品までの一連のプロセスを一元管理。確度C以上の案件を自動的に生産管理に連携
  • 見積管理アプリ: 見積番号の自動採番、価格種別による一括設定、承認フロー管理、見積書のPDF出力機能を実装
  • 契約管理アプリ: 契約書の管理、保証期間満了日のアラート機能(半年前・3ヶ月前)、契約プロセスの可視化
  • マスタ管理: 法人マスタ、施設マスタ、販売代理店マスタによる顧客情報の一元管理と重複チェック機能
生産管理機能
  • BOM管理: 製品コードごとの部材構成を詳細に管理。BOM登録時に自動的に製品在庫管理アプリのレコードを作成
  • 生産管理アプリ: 案件ごと、製品ごとの生産進捗管理。確度Cの場合は数量を60%で表示。識別子の一括採番機能を実装
  • 生産スケジュールアプリ: ガントチャート形式で生産スケジュールを可視化。案件全体、製品、工程の3階層で管理
  • 識別子管理アプリ: 製品1台ごとにユニークな識別子を発行・管理。ネットワーク情報、納品先情報、保証情報を紐付け
購買・発注管理機能
  • 購買管理アプリ: 部材の発注依頼から納入管理まで一元管理。発注金額に応じた承認者の自動設定(10万円以上/未満で分岐)
  • 組立発注管理アプリ: 組立発注の申請から納入管理まで。購買管理と同様の承認フローと入庫登録機能を実装
  • 工事発注管理アプリ: 工事業者への発注管理。見積書の管理と承認フローを実装
  • 発注先マスタ: 発注先情報の一元管理。開発、部材仕入れ、組み立て、キッティング、工事、納品、保守などの分類別管理
在庫管理機能
  • 部材入出庫管理アプリ: 部材の入出庫履歴を管理。BOMから製品コード指定で一括部材入出庫が可能。在庫管理アプリへの自動反映
  • 製品・組立済品入出庫管理アプリ: 製品の入出庫履歴を管理。入庫時に識別子の自動登録機能を実装
  • 部材在庫管理アプリ: 部材コードごとの在庫数を状態・保管場所別に管理。外部保管の管理機能も実装
  • 製品・組立済品在庫管理アプリ: 製品コードごとの在庫数を種別・状態・保管場所別に管理。新品と中古を分けて管理
その他の機能
  • 見積品目マスタ: 見積品目の価格管理(推奨価格、1次卸価格、2次卸価格、直販価格、概算価格)。製品フラグによる出荷明細書への反映制御
  • 部材マスタ: 部材情報の一元管理。部材登録時に自動的に部材在庫管理アプリのレコードを作成
  • 補助金マスタ: 補助金情報の管理。年度・都道府県別の検索機能
  • 印鑑マスタ: ユーザーごとの印鑑登録。見積書への自動反映機能

「これらの機能により、営業から生産、購買、在庫管理まで、製造業の業務フロー全体を一元管理できるようになりました。特に、案件管理から生産管理への自動連携や、BOMから在庫への自動反映など、製造業特有の業務プロセスを理解した上での自動化により、業務効率が大幅に向上しました」と、構築した機能の価値を説明します。

「もう以前のやり方には戻れません。kintoneで業務データが一元管理され、データが統合されているので、事業データと会計データを統合分析でき、経営状況をリアルタイムで把握できます。レポートも自動生成されるので、本当に助かっています」と、システム導入の価値を強調します。

経営判断の迅速化

「経営判断に必要なデータがすぐに揃うようになり、意思決定が迅速になりました。リアルタイムで経営状況を把握できるので、機会損失も減りました」と、経営判断の迅速化の実感を語ります。

【展望】今後の目標とメッセージ

さらなる分析精度向上と経営の可視化を目指して

今後の展望について、以下のように語ります。

「現在は基本的なデータ統合とレポート自動化ができていますが、今後はさらに分析精度を向上させたいですね。特に、生産計画と在庫管理の最適化、原価管理の精度向上に取り組みたいです。また、AIを活用して、より精度の高い需要予測や生産計画の最適化ができるようにしたいです」

さらに、「データが統合されているので、製造業特有の経営分析も容易になりました。生産効率、在庫回転率、原価率などを統合的に分析できるようになり、より戦略的な経営判断ができるようになりたいです」と、製造業経営への貢献を期待します。

同じ悩みを抱える企業へのメッセージ

「製造業で、生産管理や在庫管理などの事業データと会計データが分断されていて、統合分析が困難な企業の皆さんには、ぜひ一度検討していただきたいです。最初は不安もあると思いますが、段階的に進めていくことで、必ず効果を実感できるはずです。私たちも、kintoneによる業務データの一元管理とデータ統合、レポート自動化を実現でき、製造業特有の経営状況をリアルタイムで把握できるようになりました。この差は本当に大きいです」

そして、「はてなベースさんのサポートが本当に丁寧で、製造業特有のプロセスへの深い理解と業界知見に基づいて、私たちの業務を理解して、最適なソリューションを提案してくれました。単なるシステム開発ではなく、製造業の業務改善まで視野に入れた提案をいただけたことが、大きな違いでした。同じような悩みを抱えている企業の皆さんも、きっと同じように満足していただけると思います」と、支援への感謝を述べます。

製造業の統合BI基盤でお悩みの方は、はてなベースに相談しませんか?

はてなベースは、kintoneによる業務データの一元管理から、kintone×freee×Looker Studioによる統合BI基盤の構築まで、製造業特有のデータ統合とレポート自動化を実現し、経営状況をリアルタイムで把握できる環境を構築します。製造業特有のプロセス(BOM管理、生産計画、在庫最適化、原価管理など)への深い理解と業界知見に基づき、単なるシステム開発ではなく、製造業の業務改善まで視野に入れたソリューションを提供します。

「生産管理、在庫管理、購買管理などの事業データがスプレッドシートなどで分散管理されており、会計データと統合分析が困難」「月次・年次レポートの作成に時間がかかっている」「原価管理や在庫最適化の判断が困難」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。

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執筆者

川島 史奈

川島 史奈 (Fumina Kawashima)

kintoneコンサルタント / 業務改善エキスパート

多様な業界での現場経験を活かし、「現場が本当に使えるシステム」をモットーに、非IT専門職の方々へ向けたDX導入・会計活用コンサルティングを年間50社以上に実施。難しい専門用語を使わない解説に定評がある。

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