正社員が欠勤した時の給与計算は?「欠勤控除」の計算式と端数処理まで完全解説

「月給30万円の社員が1日休んだら、いくら引くのが正解?」 計算式は一つではありませんが、選び方を間違えると「違法な賃金カット」になるリスクがあります。 本記事では、基本の計算式か…

正社員が欠勤した時の給与計算は?「欠勤控除」の計算式と端数処理まで完全解説

「月給30万円の社員が1日休んだら、いくら引くのが正解?」 計算式は一つではありませんが、選び方を間違えると「違法な賃金カット」になるリスクがあります。 本記事では、基本の計算式から、迷いがちな「対象賃金の範囲」「端数処理のルール」まで、実務担当者が知っておくべき全知識を網羅しました。

1. 欠勤控除の基本:「ノーワーク・ノーペイ」とは

労働基準法には「ノーワーク・ノーペイ(働いていない分に賃金は発生しない)」という原則があります。 完全月給制であっても、欠勤した日数分の給与を差し引く(控除する)ことは適法です。

ただし、法律で「この計算式を使いなさい」という指定はありません。 だからこそ、「会社の就業規則(賃金規程)でどう定めているか」が全ての基準になります。

2. 【推奨】最も一般的な「年間平均日数」を使う計算式

最も多くの企業で採用され、従業員にとっても公平感が強いのがこの方法です。

計算式 A

控除額 = (対象賃金 ÷ 月平均所定労働日数) × 欠勤日数

【シミュレーション】 ・対象賃金:30万円(基本給+役職手当) ・年間休日:125日(=年間労働日数 240日) ・欠勤:3日 ① 月平均所定労働日数 = 240日 ÷ 12ヶ月 = 20日 ② 1日あたりの単価 = 30万円 ÷ 20日 = 15,000円 ③ 欠勤控除額 = 15,000円 × 3日 = 45,000円

メリット:月によって所定労働日数が変動(2月は少ない、8月は多い等)しても、1日あたりの控除額が常に一定であるため、計算ミスが起きにくい点です。

3. 計算の前に確認!「対象となる賃金」はどこまで?

計算式の分母となる「月給」には、どの手当を含めるべきでしょうか? ここを間違えると、引きすぎ(不払い)や引き不足が発生します。

手当の種類控除対象に 含める?理由・解説
基本給含める労働の対価そのものであるため。
役職手当・資格手当含める (一般的)仕事の役割に対する対価であり、休めばその役割を果たしていないとみなされるため。
家族手当・住宅手当含めない (一般的)「生活補助」の意味合いが強く、出勤日数に関わらず定額支給するのが一般的。
通勤手当×欠勤控除の計算には含めず、別途「不就労分の実費を支給しない」という処理を行うのが基本。

※上記は一般的な例です。必ず自社の賃金規程を確認してください。

4. 計算結果が割り切れない!正しい「端数処理」のルール

計算の結果、控除額が「15,333.333...円」のように割り切れない場合はどうすれば良いでしょうか?

原則:50銭未満切り捨て、50銭以上切り上げ

労働基準法上の解釈では、一般的に以下の処理が認められています。

  • 15,333.33円 → 15,333円
  • 15,333.66円 → 15,334円

※ただし、会社独自のルールで「1円未満切り捨て(従業員有利)」としている場合はそちらが優先されます。

5. 要注意!計算方法によっては「違法」になるケース

計算方法の選び方によっては、知らないうちに法律違反を犯してしまうリスクがあります。

❌ 危険なパターン:月所定日数での計算

「その月の所定労働日数」で割る方法を採用している場合、労働日数が少ない月(例:2月で18日稼働)に注意が必要です。

30万円 ÷ 18日 = 16,666円/日 もしこの月、1日だけ出勤して残り17日休んだとします。 16,666円 × 17日 = 283,322円(控除額) 支給額:30万円 - 283,322円 = 16,678円

この場合、働いた1日分の価値(約1.6万円)とほぼ同等ですが、計算の端数や手当の構成によっては、「1日働いたのに給料がマイナスになる(または極端に少ない)」という逆転現象が起き得ます。 これは労働基準法第24条(全額払いの原則)に抵触する恐れがあるため、「上限額の設定」などの調整が必要です。

6. 複雑な控除計算を自動化する仕組み

「手当ごとの控除設定」「端数処理」「月ごとの日数変動」。 これらを毎回Excelで確認するのはミスの元です。

クラウド給与システムを使えば、初期設定をするだけで、あとは「欠勤日数」を入力するだけで自動的に正しい控除額が算出されます。

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