2025.12.02

【株式会社グロースソイル様】社員雇用後の大赤字で倒産の危機に。資金調達と財務再建で単月黒字化まで支援

実績サムネイル

「会計リテラシーが足りず、自社の状況を正確に把握できない……」
「運転資金が逼迫し、このままでは倒産してしまう……」

スタートアップ企業にとって、会計の知識不足や資金繰りは深刻な経営課題。2025年度に2期目を迎えた株式会社グロースソイルも、同様の危機的状況に陥っていました。

弊社は資金調達支援と財務アドバイザリ支援を通じて、グロースソイル様の業績回復をサポート。支援開始後3カ月間で、同社は単月収支を黒字化させることができました。今回は、ご支援開始前に抱えていた問題、そして黒字化に至るまでのプロセスについて、代表取締役の岩野航平様に伺いました。

ご紹介

株式会社グロースソイル

BtoB企業のナーチャリングを戦略策定・MA再設計・コンテンツ制作の側面から支援。ナーチャリングの強化を通じて、問い合わせ数2.5倍、受注率1.5倍までの成長を支援した実績を持つ。
株式会社グロースソイル 公式サイト

岩野航平 様

大学卒業後、新卒で人材×SaaS領域のベンチャー企業に入社。マーケティング本部にて、BtoBメディア事業の新規立ち上げを経験。その後、MA(Marketo)の導入活用支援を主とするマーケティングコンサルティング会社に転職し、コンテンツ編集長として自社マーケティングを推進(ISも兼任)。コンテンツを活用したマーケティング活動をおこない、リード獲得、MQL創出、新規商談創出、受注獲得までを広く担ってきた。

2024年1月、株式会社グロースソイルを創業。BtoB企業を対象に、ナーチャリングによる事業成長を支援している。

「数カ月後に倒産する」状況まで資金が目減りしていた

ーまずは弊社にご相談いただく前の状況について教えてください。

岩野(敬称略):2025年1月から弊社は第2期に入り、1人目の正社員を雇用しました。社員がいなかった第1期は、会社というよりは個人事業主のような感覚だったので、資金繰りに関してもキャッシュフローだけをざっと見ていれば困らない状態でした。月次の売上が多少減っても、口座の資金が尽きていなければ良いか、という感覚だったんです。

しかし、第2期に入って社員を雇用すると状況は変わりました。社員に支払う給与はもちろんのこと、業務環境を整えるために契約したオフィスの賃料やツール利用料、バックオフィス業務の代行依頼費など、経費が一気に膨らみ、急速に毎月の支出が増加したのです。

それに応じて売上が伸びれば支出を吸収できるのですが、ちょうどそのタイミングで前期にお付き合いさせていただいていたお客様の経営方針変更によりご支援が終了し、売上は伸びるどころか逆に下がる方向に転じてしまいまして。コストの急上昇と売上の低下が同時期に重なったことにより、期初から毎月100万円前後の赤字を掘るような状況に陥っていました。

加えて、会計リテラシーに関する悩みも抱えていました。
当時は継続支援を前提に半年分の料金を前払いでいただいていたお客様もいたのですが、半年前払いで入金をいただくと、向こう半年間はキャッシュフロー上では支出だけが残るということを根本で理解していなくて。口座の残高を見れば余裕があるように見える一方で、急速に増えていく支出には頭を抱えていました。

ーでは、どのような経緯で弊社にたどり着いたのでしょうか?

岩野:共通の知人である株式会社オーガイ 代表の山田様にご紹介いただき、はてなベース代表の世戸口様とお話しさせていただいたのが最初のきっかけでした。


支援事例
【株式会社オーガイ様】資金繰りの不安から解放して確立した”攻め”の経理・税務戦略

オーガイ様も弊社同様苦しい状況に陥っていたなかで、はてなベース様の支援により、まとまった資金を融資で調達したと伺いました。

弊社は1期目にも金融機関への融資申請を行っていたのですが、当時は融資申請のお作法を知らないまま申請し、1円の融資も下りなくて。こうした苦い経験から、資金調達についてはプロの手を借りるのが一番だと考えておりました。

ー何が決め手となって弊社を資金調達支援のパートナーに選んでいただいたのでしょうか。

岩野:世戸口様とお話しし、「極めて顧客ファーストな方だ」と感じたためです。

私は当初、株式による出資での調達も検討しておりました。
そのことを世戸口様にお話ししたところ、「苦し紛れに株式を明け渡せば、後に経営の自由度低下に苦しむケースもある。株式による調達は最終手段として取っておき、まずは融資で資金を調達すること、売上を上げること、コストを絞ることなどほかの手を考えたほうがよい」と、危機を脱した後のことまで見据えたアドバイスをいただきました。

このやりとりを通じて、「はてなベース様とであれば、この危機的状況を脱せるのではないか」と考えてご依頼しました。

経営者が会計を理解しなければ、経営は健全化しない

ープロジェクトはどのように進んでいったのでしょうか。

岩野:まず着手したのは、政策金融公庫への融資申請です。はてなベース様の知見もお借りし、審査に必要な事業計画書の作成から始めました。

元々公庫への申請自体はする予定だったため、手元にはすでに作成済みの事業計画書がある状態でした。ただ、それが金融機関から見て十分な内容なのか、抜けている観点がないかの判別がつかなくて。はてなベースの世戸口さんおよび三輪さんにご確認いただいたうえで、審査に使用する情報として必要十分な状態まで仕上げていきました。

そうして作成した事業計画書は公庫のご担当者の方からも高く評価していただき、希望額通りに融資を実行いただくことができました。

「融資が降りなければ資金が底を突く」という状況でしたが、間一髪のところで危機を脱出することができました。

ーその後も苦しい時期が続いたと聞いておりますが、どのような状況だったのでしょうか。

岩野:融資によって危機は脱したものの、損益計算書上の損失が大きい状況は変わっていません。そのため、収支そのものを立て直す必要がありました。

融資による資金調達が完了した後は、週に一度世戸口さんとオンラインミーティングを実施しながら、財務再建と会計リテラシーの向上に取り組みました。

まずは大幅な赤字を軽減させるため、コストの見直しをすることに。損益計算書を共有しながら世戸口さんからアドバイスをいただき、3つのコストを削ることに決めました。

  • 代表取締役の役員報酬
  • 自社業務にかかる外注費
  • 必須ではないツールの利用料

このとき世戸口さんからいただいた「まず始めに削るのは役員報酬。事業が軌道に乗る前の会社の役員報酬は、最小限に留めるのが鉄則ですよ」というアドバイスは今も覚えています。このご助言をいただいたとき、コストカットに対して自分自身の認識が甘かったことに気付きました。

ー財務再建についてはどのようなやりとりがあったのでしょうか。

岩野:会計において最も重要だったのが、私自身のリテラシー向上でした。

弊社はfreee会計とfreee人事労務を利用してバックオフィス業務を回していますが、はてなベースさんの支援を受ける前はこれらの運用を丸ごと請け負ってくれる会社に代行を依頼していました。その会社は非常に丁寧に仕事をしてくれる会社だったので運用はスムーズに回っていたのですが、その反面私自身の会計リテラシーは低いままだったのです。

発注者自身がその分野に関する基礎を理解していないと、外部の会社に委託するときの費用がかさんでしまうのは世の常。弊社においても、私が会計を理解していないがゆえに必要以上のコストが発生している状況に陥っていました。

そのため、私の会計リテラシーを向上させるために、世戸口さんとの週1回のミーティングを通じて、財務三表の見方やfreeeへの帳簿の仕方などについて、聞きたいことをひたすら聞くといったやりとりをしていました。

ーその結果、会計リテラシーにはどのような変化が生まれましたか?

岩野:自分でいうのも何ですが、当初と比べれば格段に理解が深まったと感じています。世戸口さんからも、「岩野さん、freee使いこなしてますね」と褒めていただきました。

自計(自身で記帳すること)できるようになると、自分が何にいくら使っているのかを実感を持って理解できます。すると、契約した当初は必要だと思ったものの、今はその必要性が下がっているものをすぐに検知できるようになるんですよね。

支出は意識して絞らなければ増え続けていくものなので、自分が何にいくら使っているのかを日常的に見る習慣はとても大切で。世戸口さんによる財務アドバイザリ支援を通じて会計リテラシーも上がりましたし、支出に対する意識も高まりました。

単月黒字化を達成し、反転攻勢へ

ーそこからグロースソイル様は単月黒字化を達成していますが、どのようにして苦境を乗り越えたのでしょうか。

岩野:コストカット面についてはこれまでお話しした通りで、後は売上拡大に注力しました。
世戸口さんからも「グロースソイルさんはもう絞れる支出は絞り切ってるので、後は売上です。できるだけ早く売ってきてください」とアドバイスをいただいていました。

私自身に営業の経験がなかったこと、また、弊社自体がマーケティング支援業を行っていることもあり、当初は「マーケティング駆動で事業を拡大していこう」と考えていました。しかし、マーケティング駆動では売上につながるまでに多くの時間を要することになります。それでは資金が先に尽きてしまうということを身をもって実感したため、Podcast配信やブログの公開は継続しつつ、残りの時間をすべてアウトバウンド営業に当てるようにしました。

それまではインバウンドでの相談を待つ形だったので商談件数にムラがあり、件数も多くはなかったため、1つひとつの商談結果で一喜一憂することも少なくありませんでした。また、今振り返れば、余裕のなさから無意識のうちに“売り手都合”のコミュニケーションをしてしまっている場面もあったのではないかなと思います。

しかし、世戸口さんからのアドバイスを受けてアウトバウンド営業に振り切ってからは商談数が格段に増えたため、1商談あたりの心理的プレッシャーは軽減され、純粋に先方のお役に立つことを目指したコミュニケーションを取れるようになりました。

その結果が実を結び、資金調達から数カ月後に複数社まとめてご契約いただいたことで、単月黒字化を達成しました。

ーその後も1件、追加で資金調達をしていますね。

岩野:はてなベースさんの支援を受けながら、もう1件融資を受けました。これにより手元資金に少しの余裕ができ、安心してマーケティングに投資できるようになっています。

弊社はまだ零細企業の域を出ていないですが、この規模のなかに留まるつもりはありません。「ナーチャリングといえばグロースソイル」とBtoBマーケターの誰もが想起するようなブランドづくりを目指して活動を続けています。

単月黒字化してからは、アウトバウンド営業は継続しつつ、マーケティング活動を活性化。直近では、Podcastの配信やブログの公開頻度の向上、月に3回程度のイベント開催し、SNS発信などを強化しています。広告宣伝費こそかけていないものの、こうした活動の強化にはそれなりのコストが必要です。財務が健全化したからこそ、目標の達成に向けたアクションを起こせていると感じております。

ー読者の方に、最後にメッセージをお願いします。

岩野:会社にとって、お金はガソリンです。どんなに志があろうとも、お金が尽きれば会社は潰れます。

私は倒産が目の前まで迫ったことで、会計リテラシーの重要性を痛烈に感じました。紆余曲折を経て危機を脱した今も、毎日財務三表を見ながら経営しています。

良い支援会社と出会えると、油を差した自転車のように会社経営は滑らかに動くようになると、実体験から感じています。特に経営者はバックオフィスキャリアではないことが多いため、会計リテラシーが穴となっていることも多いでしょう。

はてなベースさんは会計における企業の地力を上げる、真に顧客視点の支援をしてくれる会社です。バックオフィス周りに課題があると感じている方は、一度相談してみることをおすすめしたいです。

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はてなベースは、会計コンサルティングと融資サポートを通じて、単なるコストセンターになりがちな経理を「未来への投資」と捉え、事業成長を加速させます。

「誰に相談したらいいか分からない」「資金繰りに不安がある」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。


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