【SES業種向け】freee kintone 連携事例:脱・属人化と「リアルタイム採算管理」を実現する経営可視化術 - はてなベース株式会社

【SES業種向け】freee kintone 連携事例:脱・属人化と「リアルタイム採算管理」を実現する経営可視化術

SES(システムエンジニアリングサービス)業を営む経営者や管理部門の皆様から、私たちは非常に多くのお悩みを伺います。

「エンジニアの単価・稼働・契約管理がExcelで完全に属人化している」
「月末月初の請求書・支払通知書の処理に追われ、他の業務が止まってしまう」
「結局、今月どの案件が儲かっていて、どのエンジニアの採算が合っているのか、リアルタイムな経営数値が見えない

これらのお悩みは、SES業種特有の「管理すべき情報(エンジニア・案件・契約)の複雑さ」に起因します。kintoneで案件管理を、freeeで会計処理を行っていても、その二つが「分断」されている限り、これらの問題は解決しません。

本記事は、まさにそうした課題を持つSES業種の経営者、CFO、経理・情シス部長の皆様に向けた、具体的な導入事例(サクセスストーリー)です。「連携すると具体的に何が良くなるのか?」という疑問に対し、「経営の可視化」「属人化の解消」という2つの観点から、その劇的な導入効果を詳細に解説します。

1. なぜ、SES業種で「Excel属人化」と「採算のブラックボックス化」が起こるのか?

課題1:複雑すぎるExcel契約・採算管理

SES業種の管理業務が困難を極める最大の理由は、「エンジニア」「案件(現場)」「契約」の3つの情報が常に変動し、複雑に絡み合うためです。多くの企業では、これを巨大なExcelファイルで管理しようと試みます。

しかし、契約更新、単価変更、稼働時間の変動、経費の発生などをExcelで追い続けるには限界があります。結果、そのExcelをメンテナンスできる「特定のエース管理部員」が生まれ、その人が休んだり退職したりすると、途端に業務が回らなくなる「属人化」が発生します。

課題2:kintoneとfreeeの「データの分断」

次に、kintoneとfreeeを導入してもなお残る課題が「データの分断」です。

  • kintone:エンジニア情報、案件情報、契約情報(単価、期間)など、「事業側」のデータが蓄積される。
  • freee:売上(請求書発行)、原価(支払通知書)、経費など、「会計側」のデータが蓄積される。

経営者が本当に見たい「エンジニアAさんの今月の採算(売上 - 原価 - 経費)」を知るためには、この両方のデータを突き合わせる必要があります。しかし、データが分断されたままでは、結局Excelにデータをエクスポートし、手作業でVLOOKUPするしかなく、リアルタイムな経営判断は不可能です。

これらの課題を解決する鍵こそが、「freee kintone 連携」と、それによる「BIツールでの可視化」です。

2. 【導入事例】こうして「リアルタイム採算管理」は実現した

ここで、私たち「はてなベース株式会社」が実際に支援させていただいた、SES業種A社の「freee kintone 連携事例」をご紹介します。この事例こそ、「kintone freee 属人化 脱却」のモデルケースです。

導入前の課題:「Excel職人」の退職と、経営のブラックボックス化

A社は、まさに前述の課題に直面していました。エンジニア50名ほどの契約管理と採算管理を、一人のベテラン管理部長が「秘伝のExcel」で一手に担っていたのです。

「経営会議で『今月の利益見込みは?』と聞いても、彼から『今集計中です。月末締めてみないと分かりません』という答えしか返ってこない。そんな中、その管理部長が退職することになり、経営陣は青ざめました。『あのExcel、誰が引き継げるんだ?』と。まさに業務が高度に『属人化』し、経営がブラックボックス化していたのです」 (A社 社長 談)

私たちは、この危機を「属人化から脱却し、データを組織の資産に変える」絶好の機会として、この連携ソリューションを導入しました。

STEP 1: 理想のデータフロー設計(=脱・属人化の仕組みづくり)

まず最初に行ったのは、ベテラン管理部長の頭の中と「秘伝のExcel」にあったロジックを全てヒアリングし、それをシステムで自動的に再現するための「データフロー」を設計することです。

代替テキスト

【データフローの解説】
この連携のポイントは、SES業種の管理に必要な情報を「kintone」で一元化したことです。

  1. kintoneでの一元化: まず「エンジニア情報」「案件情報」「契約情報(単価・期間など)」を全てkintoneアプリで管理できるようにします。これにより「Excel属人化」を解消します。
  2. freeeとの連携: kintoneで管理された契約情報に基づき、請求データをfreeeに連携します。また、freeeに登録された原価(支払)や経費のデータをkintone側にフィードバックさせます。
  3. BIツールでの可視化: kintone(事業データ)とfreee(会計データ)の両方の情報をBIツール(LookerStudio)に集約し、経営陣が見たい形に加工します。

このフローを構築することで、管理部長が手作業で行っていた「Excelでの集計」のプロセスが完全に自動化されました。

STEP 2: リアルタイム経営ダッシュボードの構築(=経営の可視化)

次に、自動で集計されたデータを「どのように見せるか」を設計しました。これが「経営の可視化」の核となる「リアルタイム経営ダッシュボード」です。

SES業種の経営者が最も見たいのは「結局、誰が・どの案件で・いくら稼いでいるのか?」という情報です。それを一覧できるようにしました。

代替テキスト

3. 導入効果:なぜこのダッシュボードがSES経営を変えるのか?

この「リアルタイム経営ダッシュボード」の導入は、A社に2つの革命的な変化をもたらしました。まさに「kintone freee 導入効果」が最大化された事例です。

効果1:迅速な経営判断(「月末締め」から「リアルタイム採算管理」へ)

【なぜこのダッシュボードが経営に役立つのか?】
最大の価値は、以前の課題であった「リアルタイムな経営数値が見えない」状態が完全に解消されたことです。

従来は、月末に管理部長がExcelを締めないと分からなかった「エンジニア別・案件別の採算」が、このダッシュボードによってリアルタイムで可視化されます。

ダッシュボードで実現した「経営の可視化」
  • エンジニア別 採算管理表: 誰がいくら利益を出しているか、瞬時に把握可能に。
  • 案件別 採算管理表: どの案件が不採算になっているか、すぐに特定可能に。
  • 全社 売上・原価・利益(月次): 全社の着地見込みがリアルタイムで更新される。
「以前は、『今月の着地は?』と聞いても『集計中です』だったのが、今では会議室のモニターに『リアルタイムの採算表』が映っています。『案件Aが不採算だが、エンジニアBさんの単価交渉(kintoneの契約情報)を来月から行うことでカバーしよう』といった、『未来』を変えるための具体的なアクションを、その場で決められるようになったのです。月末を待ずに、日次で経営判断ができるようになりました。」 (A社 社長 談)

効果2:属人化の解消(「Excel職人」からの脱却)

【なぜこのダッシュボードが属人化解消に役立つのか?】
もう一つの、そして最も重要だった効果が「属人化の解消」です。

従来、複雑な契約管理や採算計算は、ベテラン管理部長の「秘伝のExcel」に依存していました。彼が退職すれば、業務が止まってしまう重大なリスクを抱えていたのです。

しかし、STEP 1で構築したデータフローとSTEP 2のダッシュボードにより、状況は一変しました。

「プロジェクト完了と同時に、管理部長は円満に退職していきました。しかし、会社は全く混乱しませんでした。彼がExcelでやっていた複雑なロジックは、全てkintoneとBIツールに移植されていましたから。

新しく入社した管理担当者も、引き継ぎはそのkintoneとダッシュボードを見せるだけ。『エンジニアの契約情報はkintone、採算はダッシュボードで全て見られます』と。特定の担当者が退職しても、データが可視化されているため業務が止まらない体制が構築できた。これが最大の安心材料です」 (A社 社長 談)

データが特定の個人のスキルに依存する状態から、全社共有の「ダッシュボード」という資産に変わった瞬間です。これが「kintone freee 属人化 脱却」の真の価値です。

4. まとめ:SES業種の経営を「見える化」しませんか?

本記事では、SES業種に特化したfreeeとkintoneの連携事例を、「リアルタイム採算管理(経営の可視化)」「Excel属人化の解消」という2つの軸で詳細に解説しました。

事例でお分かりいただけた通り、freeeとkintoneの連携は、単なる「ツール連携」に留まりません。それは、

  • バラバラだったエンジニア・案件・会計のデータを「組織の資産」に変え、
  • 特定の個人のスキルに依存した「属人化」から脱却し、
  • 経営者が「勘」ではなく「リアルタイムの採算データ」に基づいて意思決定できる体制を築く

という、SES業種の「経営OS」そのものをアップグレードするプロジェクトです。

はてなベース株式会社は、ただツールを導入・連携するだけではありません。私たちは、公認会計士の知見を持つ経営・財務のプロフェッショナルと、kintone・freeeのAPIを熟知した開発のプロフェッショナルが一体となったチームです。

「貴社の経営課題」をヒアリングし、それを解決するための最適な「データフロー」を設計し、「経営の武器となるダッシュボード」を構築するまで、ワンストップでご支援します。

「自社の場合はどう連携すればよいか?」「ウチのExcel管理も解決できるか?」——少しでもそう感じたら、まずは無料相談にお申し込みください。貴社の「一歩先の経営」を、私たちが全力でサポートします。

「リアルタイム採算管理」と「脱・属人化」を実現しませんか?

SES業種特有のfreee・kintone連携、データ活用、ダッシュボード構築まで
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