2026.04.25
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kintone AIが2026年6月に正式リリース|6つのAI機能とクレジット制を総まとめ

はてな編集部
2026.04.25
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β版から約1年、追加料金なしで全機能が使える

サイボウズは2026年6月14日、kintoneに組み込まれたAI機能群「kintone AI」を正式リリースします。2025年4月に開始されたβ版(kintone AI Lab)では限定的な機能が試験提供されていましたが、今回の正式版では6つのAI機能がすべて利用可能になり、しかも追加料金なしのクレジット制で提供されます。

この記事では、kintone AIの全体像と各機能の使いどころ、クレジット制の仕組み、そして既存ユーザーが今のうちにやっておくべき準備をまとめました。

1. kintone AIとは — β版から正式版へ

kintone AIは、サイボウズのノーコード業務アプリ作成プラットフォーム「kintone」に標準搭載されるAI機能群です。kintoneのデータを直接参照・分析できる点が、汎用的なAIツールとの最大の違いです。

β版にあたる「kintone AI Lab」は2025年4月に開始され、約1年間にわたって限定ユーザー向けに提供されてきました。この期間に蓄積されたフィードバックを元に、UI・精度・パフォーマンスが改善され、2026年6月に正式版としてリリースされます。

β版から正式版への主な変化
  • AI機能が3種類 → 6種類に拡充
  • 一部ユーザー限定 → スタンダード・ワイドコース全契約者が対象
  • 個別申し込みが必要 → 管理画面から即時有効化できる形に簡素化
  • クレジット制による利用量管理が導入

2. 正式リリースの概要

項目 内容
リリース日 2026年6月14日
対象コース スタンダードコース / ワイドコース
申し込み 不要(既存契約に自動で含まれる)
有効化の方法 kintone管理者が「kintone AI管理」画面でONにするだけ
追加料金 なし(毎月一定クレジットが無料付与)
AI機能数 6種類(データ活用支援3つ + 市民開発支援3つ)
有効化は管理者1人でできる

kintoneの「システム管理」からアクセスできる「kintone AI管理」画面で、トグルをONにするだけで全ユーザーにAI機能が開放されます。個別のユーザー設定やインストール作業は必要ありません。

3. 6つのAI機能の詳細

kintone AIの機能は、大きく「データ活用支援」「市民開発支援」の2カテゴリに分かれます。

データ活用支援(3機能)

kintoneに蓄積された業務データを、より効率的に検索・分析・把握するための機能群です。

機能名 できること 活用シーン
検索AI 自然言語でkintone内のデータを横断検索。「先月の東京案件で金額100万円以上」のような曖昧な指示でも対象レコードを抽出 営業報告の集計、問い合わせ履歴の確認、在庫データの絞り込み
レコード一覧分析 一覧画面のデータを自動で集計・傾向分析。グラフや要約を生成し、数値の偏りや異常値をハイライト 月次レポートの下準備、KPI進捗の把握、部門間の比較分析
スレッド要約AI kintoneスペースのスレッドや長文コメントを自動要約。議論の経緯と結論を数行に圧縮 プロジェクトへの途中参加時のキャッチアップ、長期案件の経緯把握

市民開発支援(3機能)

ノーコードでアプリを作成・改善するプロセスをAIがサポートする機能群です。IT部門に頼らず、現場担当者が自分で業務アプリを構築・最適化できるようになります。

機能名 できること 活用シーン
アプリ作成AI 「営業日報を管理するアプリがほしい」のように自然言語で伝えると、フィールド構成やフォームレイアウトを自動生成 新規業務アプリの立ち上げ、Excelからkintoneへの移行
プロセス管理設定AI 承認フローや業務プロセスの条件分岐をAIが提案。「申請→上長承認→経理確認」のような流れを自動設定 稟議フローの構築、多段階承認の設定、ステータス管理の最適化
アプリ設定レビューAI 既存アプリの設定を分析し、改善点を提案。「このフィールドは未使用」「アクセス権が広すぎる」などの指摘を表示 既存アプリの棚卸し、セキュリティ改善、パフォーマンス最適化
データ活用と市民開発の両輪

データ活用支援は「蓄積されたデータから価値を引き出す」方向、市民開発支援は「アプリの構築・改善を加速する」方向です。この2つが組み合わさることで、kintoneの運用サイクル全体がAIでカバーされます。

4. クレジット制の仕組み

kintone AIは「クレジット制」で利用量を管理します。従量課金ではなく、毎月一定のクレジットが追加料金なしで付与される仕組みです。

項目 内容
クレジット付与 毎月一定量が自動付与(契約プランに応じた量)
料金 追加料金なし。標準クレジットは既存の利用料に含まれる
共有範囲 組織全体で共有。個人ごとの割り当てではない
月末の残高 翌月に繰り越されず、毎月リセット
有償クレジット追加 2026年秋に購入オプション提供予定
クレジットの使いすぎに注意

組織全体で共有されるため、特定の部門やユーザーが大量に消費すると、月の後半にクレジットが不足する可能性があります。管理者は「kintone AI管理」画面から利用状況をモニタリングし、必要に応じて利用ガイドラインを社内で共有するのが望ましいでしょう。

有償クレジットの追加購入(2026年秋予定)

正式リリース時点では無料クレジットのみですが、2026年秋を目処に有償でクレジットを追加購入できるオプションが予定されています。AI機能をヘビーに使う組織や、月の標準クレジットだけでは足りないケースへの対応策です。具体的な価格やクレジット単位はまだ公表されていません。

5. 既存のkintoneユーザーが準備すべきこと

kintone AIは有効化するだけで使えますが、成果を最大化するには事前の準備が重要です。以下の4つを6月までに進めておくことを推奨します。

1. データの整理・クレンジング

検索AIやレコード一覧分析は、kintoneに入っているデータをそのまま参照します。フィールド名が「項目1」「テスト」のまま放置されていたり、重複レコードが大量に残っていると、AIの分析精度が下がります。主要なアプリだけでも、フィールド名の統一と不要データの削除を進めましょう。

2. アプリの棚卸し

アプリ設定レビューAIを有効活用するために、現在使われているアプリと放置されているアプリを整理しておくと効果的です。使われていないアプリが多いとレビュー対象が増え、クレジットの無駄遣いにもなります。

3. 管理者権限の確認

kintone AIの有効化は管理者のみが行えます。「誰がkintoneの管理者か」が曖昧になっている組織は、この機会に権限を整理しておきましょう。複数人の管理者がいる場合、AI有効化の判断を誰が行うかも事前に決めておくとスムーズです。

4. 社内利用ガイドラインの策定

クレジットは組織全体で共有されるため、利用ルールがないとクレジットの偏りが発生します。「まず検索AIとスレッド要約を全員に開放し、アプリ作成AIは申請制にする」のように、段階的な展開計画を立てておくのがおすすめです。

準備チェックリスト
  • 主要アプリのフィールド名が日本語でわかりやすく設定されているか
  • 重複レコードや古いテストデータが残っていないか
  • 使われていないアプリが放置されていないか
  • kintone管理者が明確で、連絡先が周知されているか
  • AI機能の社内利用ルール(ガイドライン)を策定済みか

6. kintone AIで何が変わるか

kintone AIの導入によって、現場の業務がどう変わるのか。具体的な場面ごとに整理します。

営業部門の場合

顧客管理アプリに蓄積された商談履歴を検索AIで横断検索し、「直近3ヶ月で失注した案件のうち、価格が理由のもの」をすぐに抽出できます。従来はフィルター条件を複数設定して手作業で絞り込んでいた作業が、自然言語の一文で完了します。

バックオフィスの場合

経費申請や稟議のプロセス管理をプロセス管理設定AIで構築すれば、「申請額10万円以上は部長承認を追加」のような条件分岐を、フローチャートを手で描くことなく設定できます。ルールの抜け漏れもAIが指摘してくれるため、運用開始後のトラブルが減ります。

IT部門・情シスの場合

各部門が自由にアプリを作成した結果、似たようなアプリが乱立するのは多くのkintone環境で起きている問題です。アプリ設定レビューAIで定期的に全アプリの設定を診断すれば、重複の発見やアクセス権の過剰付与を早期に検知できます。

期待される効果
  • 検索・集計の時間短縮 — 複雑なフィルター設定が不要になり、データ取得にかかる時間が大幅に削減
  • アプリ作成のハードル低下 — ノーコードの「ノーコード」化。自然言語だけでアプリが作れる
  • ガバナンスの強化 — 設定レビューAIによる自動診断で、野良アプリやセキュリティリスクを継続的に検知

7. 他のAIツールとの使い分け

ChatGPTやClaudeなどの汎用AIツールとkintone AIは、競合関係ではなく補完関係にあります。

比較軸 kintone AI ChatGPT / Claude
データアクセス kintone内のレコード・スレッドに直接アクセス可能 外部データは手動でコピー&ペーストするか、API連携が必要
得意な用途 kintoneデータの検索・分析・要約、アプリ構築の支援 文章作成、翻訳、一般的な質問回答、プログラミング支援
セキュリティ kintone環境内で完結。データが外部に出ない 入力データがクラウドに送信される(契約プランにより異なる)
カスタマイズ性 kintoneのアプリ構造に特化。汎用的な用途には不向き プロンプト次第であらゆるタスクに対応可能
コスト kintone契約に含まれる(追加料金なし) 別途サブスクリプション契約が必要
使い分けのポイント

kintoneのデータを分析・検索する作業はkintone AIに任せ、メール文面の作成や社外向け資料のドラフトなどはChatGPT/Claudeを使う、という棲み分けがシンプルです。kintoneからデータをコピーして外部AIに貼り付ける必要がなくなる分、情報漏洩のリスクも下がります

8. 今後のロードマップ

サイボウズはkintone AIの正式リリース後も、段階的に機能拡張を進めていく方針を示しています。

方向性 概要 想定時期
AI活用データ活用 レコード分析のさらなる高度化。複数アプリを横断した分析やレポート自動生成 2026年後半〜
プロセス自動化エージェント 定型業務をAIが自律的に実行。条件に応じた通知送信やレコード更新を自動化 2027年以降
ガバナンス付き市民開発 アプリ作成AIにガバナンスルールを組み込み、セキュリティ基準を満たすアプリだけが作成される仕組み 2027年以降
エコシステム拡大 プラグインや連携サービスとの統合強化。サードパーティがkintone AIの機能を活用できるAPI公開 段階的に拡大

特に注目したいのはプロセス自動化エージェントです。現在のkintone AIは「ユーザーがAIに指示する」対話型ですが、将来的には「AIが条件を検知して自動で動く」エージェント型へと進化する構想があります。たとえば「月末になったら自動で請求データを集計し、管理者に通知する」といった処理が、kintone内で完結する可能性があります。

9. まとめ

kintone AIの正式リリースは、kintoneを日常的に使っている組織にとって大きな転換点です。ポイントを整理します。

kintone AI 正式リリースの要点
  • 2026年6月14日にスタンダード・ワイドコース全契約者向けに正式リリース
  • 管理者が「kintone AI管理」画面でONにするだけ。申し込み不要・追加料金なし
  • データ活用支援3機能 + 市民開発支援3機能の計6つのAI機能が利用可能
  • クレジット制で利用量を管理。毎月無料でリセット、2026年秋に有償追加オプション予定
  • ChatGPTやClaudeとは補完関係。kintoneのデータ分析はkintone AIに任せるのが合理的
  • 6月までにデータ整理・アプリ棚卸し・利用ガイドラインの準備を進めておくと、スムーズに活用開始できる

kintoneは「現場で業務アプリを作れる」プラットフォームとして多くの企業に導入されていますが、データの検索・分析や、アプリの品質管理には手間がかかっていました。kintone AIはその手間を直接的に減らす機能であり、kintone環境を持つすべての組織が恩恵を受けられる正統なアップデートです。

kintone × AIの活用、次のステップへ
はてなベースでは、kintone AIの導入支援だけでなく、AIを業務に本格的に組み込むための3つのサービスを提供しています。

AIエージェント組み込みサポート
kintoneのデータとAIエージェントを連携し、定型業務の自動化や問い合わせ対応の自動化を設計・実装します。kintone AI単体ではカバーしきれない、業務フロー全体へのAI組み込みをサポートします。

データ基盤の整備
AIが正確に動くためには、元データの品質が不可欠です。kintone内の散在データを整理・統合し、AI活用の土台を作ります。kintone AIの分析精度を高めるためのデータクレンジングも対応可能です。

オンプレミスAI導入支援
「社内データを外部に出したくないが、AIは活用したい」という企業向けに、オンプレミス環境での生成AI構築を支援します。kintoneと社内AIを組み合わせたセキュアなデータ活用基盤を設計します。
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