「Agentforceって結局何に使えるの?」――この疑問に、業種・業務別の具体的な活用パターン30選で答えます。多くのユースケースに導入企業の公開事例を添えているので、自社に当てはめられるヒントが見つかるはずです。
カスタマーサービス(8選)
カスタマーサービスはAgentforceの導入効果がもっとも出やすい領域です。チャットやメールの問い合わせを自動処理し、オペレーターの負荷を大幅に減らせます。
① 問い合わせの自動応答
顧客からのチャットやメールに、ナレッジベースを参照しながら自動で回答できます。実際に教育出版大手のWiley社では、Agentforce導入後にケース解決率が40%以上改善し、ROI 213%・年間$230,000のコスト削減を達成しました。
② 注文状況の追跡
「注文の配送状況を教えて」といった問い合わせに対して、注文データを自動参照して回答。オペレーターにつながるまでの待ち時間をゼロにします。
③ 返品・交換の受付処理
返品ポリシーを確認した上で、返品受付から返金処理までを自動で実行できます。家電メーカーのFisher & Paykel社では、セルフサービスの解決率が40%から70%に向上し、サービスコストの削減にも成功しています。
④ パスワードリセット・アカウント管理
本人確認を行い、パスワードリセットや住所変更を自動処理。24時間対応できるため、深夜・休日の問い合わせにも即座に対応します。
⑤ 技術サポートのトラブルシューティング
製品マニュアルやFAQを参照しながら、段階的なトラブルシューティングを案内。解決できない場合は適切な部門にエスカレーションします。ノートPC「Paper Pro」で知られるreMarkable社では、展開3週間で18,000件以上のサービス会話を処理し、サポートケースの37%を自動解決しました。
⑥ プロアクティブな顧客通知
在庫切れや配送遅延を検知して、顧客に先回りで通知できます。PepsiCo社では、リアルタイムの在庫データを統合し、問い合わせが発生する前に事前対応する仕組みを構築しています。
⑦ 多言語対応
同じエージェントが複数言語で応答。翻訳スタッフを配置せずにグローバルなサポート体制を構築できます。フランスのエネルギー企業Engie社では、ユーザーの83%を自動アシストする多言語対応のサポートエージェントを実現しました。
⑧ 顧客満足度の自動測定
会話終了後にCSATアンケートを自動送信し、スコアが低い場合はマネージャーに通知。対応品質の継続的な改善につなげます。
実績データ
税務サービスの1-800Accountant社は、確定申告シーズンにチャット解決率70%を達成。導入初日に1,000件以上の問い合わせを自動処理し、季節雇用の必要人数を50%削減しました。
営業(6選)
⑨ リードへの自動初期対応(SDR Agent)
Webフォームから入ったリードに対して、数分以内に自動でパーソナライズされたメールを送信できます。Siemens社では、Agentforceが週2,800件以上のリードに100%即時レスポンスし、月12,000件のB2Bリードを自動で選別。以前は量が多すぎて対応できなかったリードから新規顧客の獲得にも成功しています。
⑩ 商談のロールプレイ練習(Sales Coach)
営業担当者が商談前に、AIとロールプレイで練習できます。顧客役として想定される質問や反論を投げかけてくれるので、実際の商談で慌てることがなくなります。Salesforce自身も社内導入しており、新人の立ち上がりスピードの向上を実感しています。
⑪ パイプライン管理の自動化
「今月クローズ予定の案件を見せて」「停滞している商談は?」といった質問に自然言語で回答。営業マネージャーの日次レビュー業務を効率化します。
⑫ 見積もりの自動作成
製品構成や割引条件をヒアリングしながら、CPQ(Configure, Price, Quote)と連携して見積書を自動生成できます。Nexstar Media社では提案書・見積書の作成が数日から数分に短縮。Salesforce社内でも見積書の作成スピードが75%向上しました。
⑬ 会議後のフォローアップ自動化
商談後のメモを分析して、フォローアップメールの下書きやタスクの自動作成を実行。営業担当者は次のアクションに集中できます。
⑭ 競合情報のリアルタイム提供
商談中に「競合のA社と比較して強みは?」と聞くと、ナレッジベースから競合比較情報を即座に提示。提案の質を底上げします。
実績データ
Salesforce自身がSDR Agentを社内導入した結果、43,000件の休眠リードから$1.7M(約2.5億円)の新規パイプラインを創出。Asymbl社はリードエンゲージメントが427%向上し、年間$575,000のコスト削減を実現しています。
マーケティング(4選)
⑮ キャンペーンの自動生成
「春の新製品プロモーションを企画して」と指示するだけで、ターゲットセグメント、メール文面、配信スケジュールを自動生成できます。求人プラットフォームのIndeed社では、Agentforceでデータ統合・セグメント自動化・キャンペーン作成を一元化し、以前は数週間かかっていたキャンペーン作成が数分に短縮されました。
⑯ 顧客センチメント分析
レビュー、SNS投稿、サポートの会話データを横断的に分析し、ブランドへの評価傾向をリアルタイムに把握。マーケティング施策の方向性を素早く修正できます。
⑰ WhatsApp / LINE での双方向対話
メッセージアプリ上で商品案内やキャンペーン通知を配信し、顧客の返信に対してAIが自動応答。一方通行の通知ではなく、対話によるエンゲージメント向上を実現します。
⑱ 解約予兆の検知とリテンション施策
利用頻度の低下やサポートへの不満を検知し、特別オファーや担当者からの連絡を自動トリガー。解約率の低減に直結します。
EC・コマース(4選)
⑲ パーソナルショッパー
「予算3万円で母の誕生日プレゼントを探している」といった会話から、おすすめ商品を提案できます。ジュエリーブランドのPandora社は「Gemma」というショッピングアシスタントを導入。顧客の好みや予算をヒアリングしながら、店舗スタッフのように商品ストーリーを交えた提案を行い、会話の中で購入まで完結する体験を提供しています。
⑳ カート放棄のリカバリー
カートに商品を入れたまま離脱した顧客に、パーソナライズされたフォローメッセージを送信。VIP顧客×高額カートの組み合わせには割引を自動適用するなど、条件に応じた対応が可能です。
㉑ アップセル・クロスセル提案
購入履歴や閲覧履歴をもとに、関連商品やアップグレードを提案できます。Williams-Sonoma社は「Olive」というAI Sous Chefエージェントを構築。メニュー提案からレシピ、必要な調理器具・食材の提案まで一気通貫で行い、チャット問い合わせの60%以上を自動解決する見込みです。
㉒ 在庫確認と入荷通知
「この商品のMサイズは在庫ありますか?」に即座に回答し、在庫切れの場合は入荷時に自動通知を設定。購入機会の損失を防ぎます。
社内業務(4選)
㉓ ITヘルプデスク
パスワードリセット、ソフトウェアインストール、VPN接続トラブルなどの定型対応を自動化できます。Salesforce社内のITチーム「Techforce」では、Slackに組み込んだAgentforceが9,500件以上のサポートリクエストを自動解決し、$57,000のコスト削減を実現。最終的にケースの75%を自動処理し、年間$140万の削減を見込んでいます。
㉔ HR(人事)サポート
有給残日数の確認、福利厚生の質問、各種申請手続きの案内を自動対応。Salesforce社内では、6,000件以上のナレッジ記事を統合したAgentforceが、HR関連の問い合わせにも24時間対応しています。
㉕ 新入社員オンボーディング
入社手続きの案内、システムアカウントの発行依頼、研修スケジュールの提示を自動化。Salesforceの営業チームでは、新入社員の立ち上げに必要な情報検索を自動化し、オンボーディング期間の短縮に成功しています。
㉖ 社内ナレッジ検索
社内規程やマニュアルから必要な情報を自然言語で検索。「出張の際の経費精算ルールは?」といった質問に、該当する社内規程の内容を要約して回答します。
フィールドサービス(2選)
㉗ 技術者の自動ディスパッチ
故障報告を受けると、技術者のスキル・現在地・顧客の希望時間帯を考慮して最適な技術者を自動で割り当てます。AAA Washingtonでは、ロードサービスの出動にAgentforceを活用し、平均レスポンスタイムを5分短縮。年間換算で20,833日分の待ち時間を削減し、従業員の離職率も30%低下しました。
㉘ 現場トラブルシューティング支援
現場の技術者がモバイルから「エラーコードE-504の対処法は?」と質問すると、マニュアルや過去の修理記録から対処手順を提示。初回修理完了率の向上につなげます。
業種特化(2選)
㉙ 金融アドバイザー支援
RBC Wealth Management社では4,500名以上のアドバイザーがAgentforceを利用しています。内部ポリシーやFAQ、研修資料をData Cloudで一元化し、「この顧客のポートフォリオはリスク許容度に合っているか?」といった複雑な質問にもAIが即座に回答。顧客との面談準備にかかる時間を大幅に短縮しました。
㉚ 医療の患者管理
Precina Health社では糖尿病患者の管理にAgentforceを導入。患者へのアウトリーチ、服薬フォロー、検査予約の自動化により、HbA1c値(血糖コントロールの指標)が12週間で9.6から6.4に改善しました。通常1年かけて1%下げるのが目安とされる数値を、わずか12週間で3.2ポイント改善した結果です。5,000名の患者あたり年間$80,000の管理コスト削減も見込んでいます。
Agentforceシリーズ 全5回
第1回 Agentforceとは?Einsteinとの違いを3分で理解する
第2回(この記事) Agentforceで何ができる?業種・業務別ユースケース30選
第3回 チャットだけじゃない!Agentforceの6つの起動パターン
第4回 Agentforce導入企業の成果まとめ — 世界12,000社の実績データ
第5回 Agentforce導入の始め方 — 失敗しないための5ステップ
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