【担当者必見】Salesforceと勘定奉行を連携する3つの方法
CSV・API・ツール比較と失敗しない手順
「Salesforceで商談・請求管理をしているが、会計ソフト(勘定奉行)への入力は手作業で行っている」
「月末になると、経理担当者がSalesforceの画面を見ながら奉行に仕訳を打ち込んでいる」
このような「二重入力」や「転記ミス」の課題は、多くの企業が抱えています。Salesforce(CRM/SFA)と勘定奉行(ERP/会計)は、企業のデータの要ですが、この2つが分断されていると業務効率は大きく低下します。
この記事では、多くのシステム連携支援を行ってきた実績をもとに、Salesforceと勘定奉行を連携させる具体的な3つの手法と、失敗しないためのデータ設計のポイントを解説します。
この記事の結論:
コストと手軽さのバランスが良い「CSV連携」から始め、件数が増えたら「ミドルウェア連携」へ移行するのが最も失敗の少ないアプローチです。
Salesforceと勘定奉行の連携で解決できる課題
なぜ多くの企業がコストをかけてまで連携を行うのでしょうか。その理由は「入力の手間」削減だけではありません。
連携によるBefore / After
| 業務フロー | 連携前(Before) | 連携後(After) |
|---|---|---|
| 売上計上 | 営業がSFに入力し、経理が奉行に再入力 (タイムラグ・転記ミス発生) |
SFの確定データが自動で奉行へ連携 (即時反映・ミスゼロ) |
| 請求・入金消込 | 通帳を見ながらSFと奉行の両方を更新 | 片方の更新でもう一方にもフラグ反映 |
| 経営分析 | 月末の締め作業が終わるまで正確なPLが出ない | SF上の予実管理と会計数値が常に一致 |
連携の3大パターン(CSV・API・ミドルウェア)
連携には大きく分けて3つの手法があります。それぞれの特徴を理解し、自社のフェーズに合ったものを選びましょう。
パターン1:CSV連携(汎用データ受入)
SalesforceからデータをCSVで吐き出し、勘定奉行の「汎用データ受入」機能を使って取り込む方法です。
- 仕組み:SFのレポート機能やデータローダーでCSVを作成 → Excel等で奉行フォーマットに加工 → 奉行でインポート。
- メリット:開発コストがほぼ不要。奉行側の標準機能で対応可能。
- デメリット:完全自動化ではないため、CSV加工の手間が残る。
パターン2:EAI/ETLツール(ミドルウェア)連携
「ASTERIA Warp」や「DataSpider」、「Anyflow」などの連携ツールを間に挟む方法です。現在の主流です。
- 仕組み:ツールがSFからデータを定期的に取得し、奉行形式に自動変換して連携する。
- メリット:ノーコードで構築可能。データの加工(置換や計算)が柔軟。エラー時の通知機能がある。
- デメリット:ツールの月額ライセンス費用がかかる(月3〜10万円程度)。
パターン3:フルスクラッチAPI開発
プログラミングを行い、API経由で直接データを書き込む方法です。
- 仕組み:奉行クラウドAPIなどを利用し、Salesforceから直接データをPOSTする。
- メリット:完全リアルタイム連携が可能。ユーザーは連携を意識せずに済む。
- デメリット:開発費が高額(数百万〜)。奉行のバージョンアップ時に改修が必要になるリスクがある。
【比較表】自社に最適な連携方法は?
企業の規模や予算に応じた選び方の目安です。
| 比較項目 | CSV連携 | ミドルウェア連携 | API開発 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 低(0〜30万円) | 中(30〜100万円) | 高(200万円〜) |
| ランニング | 0円 | 3〜10万円/月 | 保守費 |
| 自動化レベル | △(一部手動) | ◎(全自動) | ◎(全自動) |
| 推奨ケース | 月間仕訳数が 100件未満の企業 |
月間100件以上 または日次連携したい企業 |
独自の複雑な 業務要件がある大企業 |
実務でつまづくポイントと対策(データマッピング)
連携プロジェクトで最も難航するのは、技術的な接続よりも「データの整合性(マッピング)」です。以下の点は必ず事前に整理してください。
-
勘定科目と補助科目の変換
Salesforceの商品マスタには「売上」としかなくても、奉行側では「製品売上」「サービス売上」と分ける必要があるケースです。SF側に変換用のロジックを持たせるか、連携ツール側で変換テーブルを持つ必要があります。 -
取引先コードの一致
Salesforceの「取引先コード」と勘定奉行の「取引先コード」は一致していますか?ここがズレていると、請求データが連携できません。名寄せを行い、SF側に奉行コードを持たせるカスタム項目を追加するのが一般的です。 -
消費税と端数処理
SFと奉行で消費税の計算ロジック(明細計か伝票計か、切り捨てか四捨五入か)が異なると、1円単位のズレが発生します。必ず「奉行側の計算ロジック」に合わせてSF側の数式を調整します。
成功事例:月20時間の入力削減
課題:
毎月300件近い請求データを、営業事務がSalesforceからExcelに出し、経理がそれを奉行に入力していた。コード確認などの手戻りが多く、締め作業に3日かかっていた。
対策:
「ミドルウェア連携(EAI)」を導入。SFで請求確定ボタンを押すと、夜間に自動で奉行用の仕訳データが生成・送信される仕組みを構築。
成果:
入力作業がゼロになり、月20時間の工数削減。締め作業も1日で完了するように。転記ミスによる営業と経理の確認ラリーも消滅した。
よくある質問(FAQ)
Salesforce側にはどのようなカスタマイズが必要ですか?
勘定奉行iシリーズ(オンプレミス版)でも連携できますか?
導入にかかる期間はどれくらいですか?
まとめ:まずは小さく始めるのが成功の鍵
Salesforceと勘定奉行の連携は、業務効率化のインパクトが非常に大きい施策です。しかし、最初から「完全自動化」を目指しすぎると、要件定義が複雑化し、プロジェクトが頓挫するリスクもあります。
まずは「CSV連携での半自動化」からスタートし、データ変換のルールが固まってからAPIやツール導入へ進むステップも有効です。