「マネーフォワード クラウド会計を使ってみたいけど、料金が複雑でよくわからない」——そんな声をよく聞きます。個人向けと法人向けでプランが分かれており、さらに年払い・月払いの違いや従量課金の仕組みも絡んでくるため、初見では全体像がつかみにくいのが正直なところです。
この記事では、マネーフォワード クラウド会計の全プランの料金と機能を、公式料金ページ(2026年5月現在)をもとに整理します。個人事業主向けの3プラン・法人向けの3プラン、それぞれの違いを具体的な数字で比較し、「自分にはどのプランが合うか」を判断できるように解説します。
マネーフォワード クラウド会計とは
マネーフォワード クラウド会計は、マネーフォワード株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトです。2013年のサービス開始以来、個人事業主・フリーランスから中堅企業まで幅広い事業規模で採用が進み、「クラウド会計ソフト満足度No.1」(自社調べ)を複数年継続しています。
大きな特徴は、銀行・クレジットカードの明細を自動で取り込む自動仕訳機能と、バックオフィス全体をカバーするサービス群です。単体の会計ソフトとしてだけでなく、請求書・経費精算・給与・勤怠・社会保険・電子契約など、業務の入り口から出口まで一つのプラットフォームで完結させる設計になっています。月々の基本料金には、これら12のサービスが含まれている点が他社との大きな違いです。
料金体系の全体像——3つの要素で成り立つ
マネーフォワード クラウドの費用は、主に3つの要素で構成されます。初めて料金を調べると複雑に見えますが、この構造を理解しておくと試算が格段にしやすくなります。
- 基本料金(月額) — プランごとに固定で発生する費用。利用人数の上限まで追加料金なし
- 従量課金 — 基本料金に含まれる人数を超えた場合に1名あたり追加費用が発生する
- オプション料金 — 郵送代行(210円/通)やオペレーター入力(20円/件)など個別に追加できる機能
個人事業主向けプランは従量課金がほぼなく(レシート撮影の枚数超過のみ)、シンプルな月額制です。法人向けプランは、スタッフが増えるにつれて従量課金が加算される仕組みで、プランによって基本料金に含まれる人数が異なります。
表示価格はすべて税抜です。消費税10%を加算した実際の支払額は、記載金額の1.1倍になります。例:900円/月(税抜)→ 990円/月(税込)
個人事業主・副業向けプランの料金詳細
個人向けには3つのプランがあります。確定申告の内容・使いたい機能・サポートの手厚さによって選択肢が変わります。年払い(一括払い)を選ぶと、月払いより毎月の費用が下がります。

パーソナルミニプラン——月900円から確定申告
年払いで900円/月(一括10,800円/年)、月払いで1,280円/月のプランです。「最低限の機能で確定申告を済ませたい方」向けで、以下の機能が含まれます。
- 確定申告書類の作成(青色・白色対応)
- 確定申告書類の電子申告(e-Tax)
- 銀行・クレジットカード明細の自動取込
- メール・チャットサポート(操作方法)
- 電子契約
- レシート撮影 月15件まで無料(超過分は要プランアップグレード)
注意点として、消費税申告には対応していません。インボイス制度(適格請求書発行事業者)の消費税申告が必要な方には不向きです。副業収入が少なく白色申告で済む方や、銀行明細の自動取込さえあれば十分な方に向いています。
パーソナルプラン——消費税申告も含む標準プラン
年払いで1,280円/月(一括15,360円/年)、月払いで1,680円/月のプランです。公式サイトで「おすすめ」とされており、個人事業主が確定申告に必要な機能をほぼ網羅しています。
パーソナルミニプランの全機能に加えて、消費税申告(インボイス制度対応)、レシート撮影 月30件、電子ファイルの保存数上限なし、請求書の一括送付、経営状況のレポート確認が使えます。年間の節税効果や経費の傾向を可視化したい方にも、このプランがちょうどよいと思います。
パーソナルプラスプラン——電話サポート付きの上位プラン
年払いのみで2,980円/月(一括35,760円/年)のプランです。月払い設定がなく、年一括払いが必須です。パーソナルプランの全機能に加えて、電話サポート(操作方法のみ)とレシート撮影 月100件が使えます。「初期設定の段階から電話で聞きながら進めたい」「会計ソフトに慣れていないので手厚いサポートが欲しい」という方向けです。
電話サポートはマネーフォワード クラウド確定申告の操作方法が対象です。仕訳や税務の相談、他サービスの質問は対応していません。確定申告の内容に関する専門的な相談は、別途税理士への依頼が必要です。
法人向けプランの料金詳細
法人向けは3つのプランがあります(ERP除く)。全プランで1ヶ月分のトライアルが利用でき、ビジネスプラン相当の機能をクレジットカード登録なしで試せます。

ひとり法人プラン——新設法人1年目向け
年払いで2,480円/月(一括29,760円/年)、月払いで3,980円/月のプランです。年払いにすると年間18,000円のコスト削減になります。「起業したばかり・会社設立したての新設法人1年目向け」と公式に説明されています。
基本料金内で使えるアカウントは1名です。会計・請求書・経費・給与・勤怠・社会保険・年末調整・マイナンバー管理・電子契約など12サービスが含まれますが、仕訳数が1会計年度あたり500件までという制限があります。取引件数が多い場合は早めに上位プランへの移行を検討してください。
スモールビジネスプラン——利用者3名以下の小規模企業向け
年払いで4,480円/月(一括53,760円/年)、月払いで5,980円/月のプランです。部門管理が不要で請求業務が少ない小規模企業に向いています。基本料金内での利用は3名まで。4名以上から従量課金が発生します(会計・請求書は300円/名・月、経費は500円/名・月)。
ひとり法人プランとの差は主に、仕訳数の上限がない点(ひとり法人は500件/年)、部門登録が2部門まで使える点、アカウント数が3名まで含まれる点です。スタッフが2〜3名いて請求書や経費精算も一緒に管理したい場合に選ばれます。
ビジネスプラン——中小企業向けの標準プラン
年払いで6,480円/月(一括77,760円/年)、月払いで7,980円/月のプランです。公式サイトで「おすすめ」とされており、バックオフィス業務全般を効率化したい中小企業向けの中心的なプランです。
スモールビジネスプランとの主な違いは、部門登録が無制限(スモールは2部門まで)、部門階層を2階層まで設定できる(損益管理が細かくできる)、AI-OCR(レシート自動入力)が月60件まで含まれる、といった点です。従業員が4名以上いる、または会計上の部門管理が必要な企業はビジネスプランから検討するとよいでしょう。
マネーフォワード クラウド ERP——中堅・上場企業向け
従業員51名以上を目安とするIPO準備中・中堅〜上場企業向けのプランです。利用人数や必要な機能をヒアリングした上で、個別に料金が見積もられます。「ビジネスプランでは管理が追いついてきた」「IPO準備で内部統制の強化が必要」といった段階で検討されることが多いプランです。
年払いと月払い、どちらが得か
すべてのプランで年払い(一括払い)を選ぶと月払いより費用を抑えられます。差額を整理すると下の通りです。
| プラン | 月払い(12ヶ月) | 年払い(一括) | 年間の差額 |
|---|---|---|---|
| パーソナルミニ(個人) | 15,360円 | 10,800円 | 4,560円お得 |
| パーソナル(個人) | 20,160円 | 15,360円 | 4,800円お得 |
| パーソナルプラス(個人) | 年払いのみ | 35,760円 | — |
| ひとり法人(法人) | 47,760円 | 29,760円 | 18,000円お得 |
| スモールビジネス(法人) | 71,760円 | 53,760円 | 18,000円お得 |
| ビジネス(法人) | 95,760円 | 77,760円 | 18,000円お得 |
法人向けの3プランはいずれも年払いで年間18,000円の差があります。ひとり法人プランなら月払い比で約1.5ヶ月分、ビジネスプランなら約2.3ヶ月分が節約できる計算です。「とりあえず月払いで試して、合えば年払いに切り替える」という流れが多く、最初の1ヶ月は無料トライアルを使えるので実質的な初期投資は低めです。
従量課金のしくみ——見落とすと想定外の費用に
法人向けプランで特に注意が必要なのが、ユーザー追加時の従量課金です。基本料金に含まれる人数を超えると、1名あたりの追加費用がサービスごとに発生します。複数サービスを使っている場合、スタッフが増えるごとに各サービスの従量課金が積み重なる点を理解しておく必要があります。
| サービス | 基本内アカウント数 | 超過時の課金(月額) |
|---|---|---|
| クラウド会計・請求書 | 1〜3名(プランによる) | 300円/名(4名以上から) |
| クラウド経費 | 1〜5名(プランによる) | 500円/名(6名以上から) |
| クラウド勤怠・給与・社保 | 1〜5名(プランによる) | 300円/名(6名以上から) |
| クラウド年末調整・マイナンバー | 1〜5名(プランによる) | 100円/名(6名以上から) |
| クラウド人事管理 | 1〜10名(プランによる) | 600円/名(11名以上から) |
| クラウド契約 | 1〜3名(プランによる) | 900円/名(4名以上から) |
たとえばビジネスプランで従業員10名が経費精算(クラウド経費)を使う場合、基本料金5名超の5名分で2,500円/月の追加費用が発生します。公式サイトには料金シミュレーション機能があり、利用人数や使いたいサービスを入力するだけで月額の目安がわかります。導入前に一度試してみることをおすすめします。
どのプランを選ぶべきか——状況別の選び方ガイド
料金だけでなく、使う機能・事業規模・サポートの必要度によって最適なプランは変わります。よくある状況ごとに整理します。
副業・フリーランス(確定申告が目的)
消費税申告が不要(売上1,000万円以下でインボイス未登録)であれば、パーソナルミニプラン(900円/月〜)で十分です。銀行明細の自動取込と確定申告書の作成・電子申告が使えます。売上が増えてインボイス登録をした場合や、経費管理をもう少し細かくしたい場合はパーソナルプランへの切り替えを検討してください。
個人事業主として本業で活動(消費税申告あり)
インボイス制度への対応が必要な方はパーソナルプラン(1,280円/月〜)が基本です。消費税申告書の作成、経営レポート、レシート撮影30件/月が含まれています。電話サポートが欲しい場合はパーソナルプラスプランという選択肢もありますが、月々の費用が約2倍になるため、「チャット・メールで問題解決できるか先に試してみる」のが現実的なアプローチです。
会社設立1年目(ひとり社長)
新設法人で当面は経営者1名の場合、ひとり法人プラン(2,480円/月〜)から始めるのが自然です。ただし仕訳数500件/年の制限があるため、取引件数が多い場合は上位プランへの切り替えが早い段階で必要になる可能性があります。「取引が月30〜40件以上ある見込み」であれば最初からスモールビジネスプランを選ぶほうが手間が省けます。
スタッフが5〜30名規模の中小企業
ビジネスプラン(6,480円/月〜)が中心的な選択肢です。部門管理が無制限で使えるため、営業・製造・管理など部門別の損益管理をしたい場合に対応できます。スタッフが増えるほど従量課金が加算されますが、会計・経費・給与が一つのプラットフォームで完結するため、個別ソフトを複数契約するよりトータルコストを抑えられるケースが多いです。
無料トライアルを使い倒す方法
マネーフォワード クラウドは1ヶ月間の無料トライアルを用意しています。クレジットカードの登録なしで始められ、トライアル終了後に自動的に有料プランへ移行することはありません。トライアル期間中に入力したデータはそのまま引き継がれます。
無料期間中は「ビジネスプラン相当の機能」が使えます。法人向けの最上位プランと同等の機能をひととおり試せるため、「実際の業務フローで使えるか」を判断するには十分な期間です。銀行連携の設定から仕訳の自動化、請求書の作成・送付まで一通りの流れを実際に動かしてみることをすすめます。
トライアルは1事業者につき1回のみ。「試してみたら合わなかった」という状況を避けるため、できる限り業務の繁忙期を外し、実際の取引データを入れて試す時間を確保してから開始するのがよいでしょう。
よくある疑問
途中でプランを変更できますか
プランのアップグレードはいつでも可能です。年払いで契約した場合、残り期間の差額が返金されるわけではなく、アップグレード後の新しい期間が始まります。解約費用・最低利用期間はないため、合わないと感じたら解約できますが、年払い済みの残期間分の返金はありません。
税理士と共同で使えますか
税理士や会計事務所のスタッフを招待して共同利用できます。「マネーフォワード クラウド公認メンバー制度」に加入している税理士は、従量課金の対象外として扱われます。顧問税理士がいる場合、税理士もマネーフォワード クラウドを使っているかを確認しておくと、データ連携がスムーズです。
決済はクレジットカードのみですか
はい、クレジットカード決済のみです(Visa・JCB・Mastercard・American Express・Diners Club)。銀行引き落としや請求書払いには対応していません。マネーフォワード ビジネスカードを使うと、年会費無料でマネーフォワード クラウドのお支払いに3%のポイント還元が受けられます。
まとめ
マネーフォワード クラウド会計の料金プランを整理すると、個人事業主は月900円〜、法人は月2,480円〜から始められます。年払いを選ぶと法人プランで年間18,000円の節約になります。
選び方のポイントは「消費税申告が必要か」「利用するスタッフは何名か」「部門管理が必要か」の3点です。この3点を明確にするだけで、適切なプランに絞り込めます。まずは1ヶ月の無料トライアルで実際の使い勝手を確かめてから、本契約のプランを決めるのが現実的なアプローチです。
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